不動産投資とはココからはじまる| 不動産購入時にするべきこと5つ

不動産投資とは、投資用の不動産を購入し入居者に貸すことによる家賃収入によって成立する投資事業になります。
不動産投資は不動産を購入してからが重要だと考えている方が多いようです。

購入後が勝負だということは、事業運営の観点からも間違いはありませんが、実は不動産購入時までのプロセスにおいても多くの課題が山積しています。

実際問題、購入する物件の決済をするまでには、対応しなければならないことが沢山あります。通常のケースだと数週間~1、2ヶ月と時間的な余裕があまりありません。

時間がない中での業務になりますので、事前にしっかり計画し、シュミレーションしておくのがよいのではないでしょうか。

『投資家が不動産購入時にやるべきことリスト』として以下にまとめていきます。

まだ、不動産投資の経験がない方には、実感が湧きづらいかもしれませんが、これから購入しようとしている不動産の販売図面を見ながら、シュミレーションしている物件をイメージしながら、一緒に学んでいきましょう。

不動産売買契約を締結する

実際に、購入する不動産が決まったら『売主』と『買主』の間で契約書を締結します。契約書を締結する当日には、仲介会社から、重要事項説明があり、それを確認した後、契約書に署名捺印するといった流れになります。

手付金の相場を知る

ここでのポイントは、契約書締結時に『手付金』を買主が払うことです。

不動産投資の『手付金』については支払い義務はありません。これについては、特別法律で定められているものではありませんが、一般的な商慣習となっており、不動産価格の5%~10%程度が相場だと言われています。

あまりにも高額な手付金を要求してくるケースも稀にあるみたいですが、手付金を要求し支払いをしたが、実際に物件の引き渡しに応じないような手付金詐欺もあるようなので、手付金が不動産価格の10%を超えるような場合は十分注意して下さい。

手付金が低すぎると契約を解除されやすい

ただ、手付金が低すぎる場合に関しても注意が必要です。

売主と買主の間で売買契約が締結され、買主は5%の手付金を支払ったとします。しかし、新たな購入希望者が現れて、現状よりも高い金額で購入を希望した場合どうでしょうか?

この場合、売主は受け取った手付金の2倍を返却することで契約を解除することができます。2倍の金額を払ったとしても、それ以上に新たな契約を締結した方が、売主の利益になるのであれば、そのような判断も合理的なのです。

この物件を絶対に入手したいという意思表示と手付金のバランス感覚がとても重要になってくるのではないでしょうか。

とはいえ、不動産投資の経験が薄い方にとっては、まずは相場を意識することからスタートしてみるのが無難だと私は思います。

ローン特約は必ず入れておくこと

多くの方は不動産投資に金融期間のローンを利用すると思います。

ローンを使って不動産を購入し不動産投資を始める際には、契約締結時において、必ず含めていただきたい『特約事項』があります

それは『ローン特約』です。

『ローン特約』とは、不動産の融資が否決された場合に売買契約そのものを解除することができる特約です。これにより、金融機関の審査が下りなかった場合のトラブルを回避することができます。

とはいえ、あくまでローン特約は『特約事項』に過ぎません。買主は、金融機関の審査が下りるようにきちんとした準備を行い、売主に対して誠実な対応をすることが不動産投資を始める投資家には求められます。

管理会社選びは慎重に

売買契約締結後から物件の決済までに、不動産投資をしていくための様々な準備をします。

その一つが管理会社選びです。管理会社は賃貸業務をしていくうえで、一切の管理業務を行ってくれる代行業者になります。空室対策から物件の清掃・メンテナンスまで全てを担ってくれます。

管理会社は不動産投資における重要なビジネスパートナー

不動産管理の場合、自主管理(買主自身が自分で管理業務を行なう)をする場合を除き、その不動産を管理してくれる管理会社を探さなければなりません。

この管理会社は、投資家が不動産投資をEXITするまで、運営をサポートしてくれる重要なビジネスパートナーになります。売主が不動産会社の場合、管理業務も行ってくれるケースもあります。そこに相談してみるのも方法の一つですし、管理を専門に行なっている業者に相談してみるのも方法の一つです。

管理委託契約は2通りある

管理委託契約は、2つの契約形態があるのをご存知でしょうか。

1つ目は、大家業を代行する一般管理契約、2つ目は一括借り上げのサブリース契約です。

サブリース契約については、賃料の8割~9割り程度の価格で一括で借り上げるため、空室が発生した場合においても収入が途絶えるといったリスクを解消することができます。

一見、メリットしかないように見えますが、相場賃料よりも低い金額で借り上げることが多く、その不動産が持つポテンシャルを最大限発揮できないというデメリットがあります。

また、定期的に見直される契約になっていることがほとんどですので、数年に一回、管理会社から一方的に保証された賃料が減額される恐れがある点にも注意しましょう。

一般管理契約とサブリース契約には、それぞれメリット、デメリットは存在しますが、不動産投資でしっかり収益を出して成長していきたいと考えているのであれば、しっかりと管理してくれる賃貸管理会社を探して運用することを私はおすすめします。

いずれにしても、不動産投資を行っていく上で、長い付き合いになる重要なパートナーですので、雰囲気や相性も含めて総合的に判断するのが望ましいでしょう。

当初は以前の管理会社を利用するという選択肢もあります

賃貸管理会社を新たに見つけてきたとしても、以前の管理会社から管理業務を引き継ぐのに、多少の時間がかかります。

ただでさえ、忙しいタイミングにバタバタしたくないということであれば、一旦は前のオーナーの管理会社に依頼をして後から変更するような手続きを取るようにしましょう。

火災保険の加入は忘れないように

物件決済までに火災保険の加入を忘れずに済ませておきましょう。

火災保険の内容については、損保会社によって補償内容が変わってきます。契約については、10日前後でできますので、そこまで急ぐ必要はないものの、事前に目星を付けておくと、スムーズに手続きを済ませることができます。

地震保険のサービス内容は各社共通です

最近では、付帯の地震保険が注目を集めています。地震保険は各社サービスに差がないので、地震保険の内容で迷う必要はありません。サービスを付帯するかしないかの判断になります。

築古物件には火災保険が契約できない!?

直感的にに築古物件の場合は、火災保険の契約ができないように思えますが、決してそんなことはありません。

一部、契約できない保険会社もあるようですが、だからこそ事前にしっかりと調査することが重要になるのです。

金銭消費貸借契約(融資契約)を締結する

賃貸管理会社の選定、火災保険の契約と並行して『金銭消費貸借契約』を締結しなければなりません。

『金銭消費貸借契約』には、融資条件(総額、返済日、利息、元金)や抵当権設定について、繰り上げ返済について、遅延損害金についての内容が盛り込まれています。

抵当権については、金融機関で抵当権(その不動産を担保にして優先的に弁済を受ける権利)を設定します。一般的に融資を締結した金融機関が抵当権を設定するため『金銭消費貸借契約』と『抵当権設定契約』を同時に締結することになります。

所有権移転登記を済ませる

最後になりますが、不動産の所有者が変更になった場合に行なう手続きになります。手続きには書類の作成し準備する必要があるため、十分な専門的知識を持った司法書士に依頼することになります。

費用は物件により異なる

不動産の所有権が変わる度に行なう『所有権移転登記』は、対象となる不動産によって費用は異なります。

費用の内訳としては、「登録免許税+手続きの実費+司法書士報酬」になります。

登録免許税とは、対象不動産にかかる税金のことで、土地や建物の評価額、所有権を移転させる理由によって税率が変わってきます。

大まかな費用について

登録免許税の計算方法は「固定資産税評価額×税率」になります。税率が様々な理由で変わってくると先述していますが、具体的には”なぜ不動産の所有権が移転したのか?”によります。

移転理由は大きく3つに分類することができ、売買:2%(2021年3月31日まで軽減税率対応で1.5%)、贈与:2%、相続:0.4%になります。これを具体的な金額に置き換えると、固定資産税評価額が2,000万円の場合、売買では40万円、贈与では40万円、相続では8万円ということになります。

手続きの実費とは、書類関係の取得費用のことを言います。住民票の写しの取得や手続きにかかる費用です。この部分についてはアバウトですが、1万円程度を見込んでおけば問題ありません。

司法書士の報酬については、移転登記を代行してお願いした場合、移転する不動産1件あたり5万円前後が目安だと言われています。これは、あくまで相場です。法書士や移転する不動産によって金額の変動はあると思います。

これら移転登記に必要な費用についても、10万単位~の経費がかかります。不動産投資を始めるにあたっては、予め諸経費として盛り込んでおくとよいでしょう。

自分でやる仕事と委託する仕事を上手に棲み分ける

このように、不動産投資を始める前の段階でもやることは、たくさんあります。

不動産一軒契約するのに、全てを自分で対応していたら、とてもじゃないけど対応しきれません。

それぞれの仕事を棲み分けながら、外部の委託先にお願いすることも重要な経営判断だと思います。なぜなら、不動産投資とは、どれだけ、自分の手間を掛けずに利益を出していけるかが重要な要素だからです。

最終的には、コストとのバランスになりますが、依頼できる業務は積極的に委託先にお願いできるような習慣を身に付けておくようにしましょう。