不動産投資とはレッドオーシャンなのか、プロが解説します

不動産投資とは”投資の王様”だと例える人も多く、投資に詳しくない人でも株式投資と不動産投資くらいは知っているのではないでしょうか。不動産投資とは、投資の世界ではメジャーな手法で非常に多くの個人投資家が興味を持ち参加しています。

故に、巷では不動産投資で勝つのは難しいと言われているようですが、様々な投資商品や資産運用商品を日頃から目にしている私に言わせれば、不動産投資とは非常に参加しやすい投資の手法です。

不動産投資を”競合”という観点から観察しその優位性について解説していきましょう。

不動産投資とは?をおさらいする

まず最初に「不動産投資とは、どういった投資なのか」を簡単に説明したいと思います。既に分かっているという方にとっては退屈な話になっていしまいますが、復習の意味も兼ねてお付き合い下さい。

不動産には実需用と収益の2つのタイプがある

そもそも不動産は大きく2つのタイプに分類されます。

  1. 実需用不動産
  2. 収益不動産

非常にシンプルな構造ですね。

1つ目の『実需用不動産』とは、際の要、即ち本人が実際に住むことを目的に所有する不動産のことです。

2つ目の『収益不動産』とは、他人に住ませる(入居させる)ことを目的に所有する不動産のことです。

不動産投資とは、2つ目の『収益不動産』を取り扱うものです。

そして不動産投資とは、収益不動産を購入し他人に貸して、家賃収入を得ることで利益を出すビジネスモデルのことを指すのです。

不動産投資の物件タイプは大きく2つに分かれる

次に収益不動産のタイプについてです。これも大きく2種類に分類できます。

  1. 新築アパートやマンションを建設する
  2. 中古の収益不動産をオーナーチェンジする

1の『新築アパートやマンションを建設する』タイプは、地主や資産家が相続税対策を目的として始めるケースが多いです。

一方で、2の『中古の収益不動産をオーナーチェンジする』ケースについては、公務員や医者、大手企業の会社員などが資産運用を目的として不動産投資に参入するケースが目立ちます。

不動産投資をする投資家もそれぞれ異なる目的で投資をしていますが、2つの共通点は『本業を持ちながら不動産投資を副業で行っている人が多い』という点です。この点については後々、重要なポイントになりますので意識して覚えておいて下さい。

不動産投資で利益を出す方法は、インカムゲインとキャピタルゲイン

最後になりますが、不動産投資の利益とは、どのように算出されていくのでしょうか。

利益の出し方は2通りです。

  1. インカムゲイン
  2. キャピタルゲイン

インカムゲインとは、投資用資産を保有している期間に出す利益のことを指します。不動産投資の場合は、毎月の家賃収入から得る利益がインカムゲインに該当します。

ワンルームアパートを経営しているAさんは、毎月の家賃収入が40万円です。ここから金融機関への返済を20万円、諸経費を5万円払っています。この場合は、家賃収入から金融機関への返済額と諸経費を差し引いた15万円がインカムゲインということになります。

キャピタルゲインとは、投資用資産を売却した際に発生する利益のことを指します。不動産投資の場合は、投資用不動産を売却した際に、購入価格との差益です。

不動産投資家のBさんは、都内のアパートを5,000万円で購入しました。6年近く運営していたところ、高く買い取ってくれる投資家が見つかり、運良く5,500万円で売却することができました。この場合、キャピタルゲインは500万円ということになります。

「インカムゲインとキャピタルゲインの関係はこんなに単純ではない!!」というお叱りの声が聞こえてきそうです(笑)不動産投資とは何か、ということを本質的に理解していただくためにシンプルに説明しています。ご容赦下さい。

不動産投資は本当にレッドオーシャンなのか?

「不動産投資はやめとけ」「不動産投資はオワコン」ということを私はよく聞きます。この記事を読んで下さっているあなたも、似たようなことを言われた経験はありませんか?

これに関しては”そう言いたい気持ち”も分からなくはないですが、それは素人的な考え方だと私は考えています。

不動産投資は決してレッドオーシャンの投資ではありません。

株式投資の人気をどう見ているか?

近年、老後2000万円問題、特に2,000万円という数字が独り歩きしてしまい『公的年金だけでは生活が成り立たない』『老後の健康とお金に不安が残る』『定年後のために資産を増やさなければならない』という気運が高まっています。

株式投資に関しては、スマホ一台あれば少額から手軽に始められる投資として20代~30代の新規参入が目立ちます。

確かに株式投資に関しては、業界や起業の将来性などをしっかり分析し長期的に保有すれば、資産(元金)が増える確率は高い投資だと私も考えています。

不動産投資とは異なり、株式投資には強敵が多い

ただ、株式投資とは、世界で最もメジャーな投資であり、プロのトレーダーや機関投資家も参加するような世界です。

また、上記のような”流行りに近いような形で参加している若者”に関しては、個別銘柄の短期的な値上がりを期待して投資している人が多いと推測しています。様々な統計データによると、8割-9割近くの個人投資家は株式投資で損をしているという結果も出ているのです。

この件については、資金力に長けた投資家であれば株価を操作することも可能ですし、圧倒的な分析力と情報量を持っている機関投資家と勝負するのは難しいと言わざるを得ません。

個人投資家と機関投資家は全く逆の動きを取ると言われています。それは『株価が高い時に売却し安いときに購入する』大口投資家に対して個人投資家は真逆の行動を取ります。それは価格の値動きだけで判断してしまうからです。

つまり、少資本の個人投資家は大口投資家のいわば養分であり、副業感覚で投資している個人が本業でプロ中のプロを相手に勝負を挑むこと自体が間違いであることを認識するべきなのです。

私は、本物の投資プロを相手に勝負する株式投資は、自分よりも遥かレベルの高い相手と勝負するという意味においてレッドオーシャンだと考えています。

不動産投資はライバルが”普通のおっちゃん”なので十分勝負できる

一方で不動産投資はどうでしょうか。あなたの周りの不動産投資家を見てみて下さい。

申し訳ありませんが、どこにでもいそうな『普通の会社員』や『おじちゃん』ではないでしょうか。

これが不動産投資がレッドオーシャンではないと私がお伝えする最大の理由なのです。

これから不動産投資を始めるあなたも、既に不動産投資をしているあなたにとっても、相手が普通の”おっちゃん”であれば勝負できそうな気がしてこないでしょうか。

ここまで読んだ時点で、あなたも”何かできそうな”自信が湧いてきたのではないでしょうか。

先祖代々から受け継ぐ資産家の方は、お金こそあるものの、あなたのように1から成り上がろうとするバイタリティはありません。あなたが必死に不動産投資に関する情報収集や学習をすることで、いつか必ず、優位な状況にたどり着くことができます。

医者や公務員、サラリーマン投資家に関しても『社会属性が良い』という理由で金融機関からお金を借りて不動産投資をしていますが、貪欲にやっている方はそこまで多くないと推測します。

不動産投資は資金力も大事ですが、それ以上に情報と知識量とネットワークが重要だと考えています。

そして何より、あなたの不動産投資に対するモチベーションの高さが重要になってきます。

周りのライバルを見渡してみて下さい。

不動産投資とは、決してレッドオーシャンの市場ではないのです。

まとめ

不動産投資とは、インカムゲインとキャピタルゲインで利益を出す投資であり、インカムゲインは家賃輸入から諸経費を引いた利益であり、キャピタルゲインは売却時に出た仕入額との差で生まれた利益です。主に副業的に行われることが多い投資であることが特徴です。

また、資本潤沢かつ投資知識豊富なライバルが多い株式投資と比較すると、不動産投資とは、一般人でもトライしやすい投資と言えます。

資本に余裕があり、属性の優れている人々が不動産投資をしているような印象はありますが、投資にかける本気度は並の場合が多く、素人からでも本気で取り組めば、人並み以上に利益を出しにいける投資です。これが、不動産投資とはレッドオーシャンではないという大きな理由です。