不動産小口化商品のメリット・デメリットを解説

不動産小口化商品をご存知でしょうか。

安定感があり、不動産投資にはない手軽さが理由で、当社にも問い合わせや資料請求が殺到している投資商品です。

不動産小口化商品が投資家にとって、どのようなメリットがあり、それ自体にどういった特徴があるのかを確認していきます。

不動産投資をされている方、不動産投資に興味をお持ちの方、不動産投資の勉強をされている方にとって、不動産小口化商品は一つの選択肢になるものだと考えています。

不動産小口化商品は、不動産投資のメリットを共通点として持ちながら、不動産投資にはない特徴を兼ね備えている投資商品なのです。

比較される様々な投資について

まず最初に、不動産小口化商品と一緒に出てくるキーワードや商品について見ていきます。

ここで知っておいていただきたいキーワードが『不動産特定共同事業法』『J-REIT』『不動産投資』です。

不動産特定共同事業法

不動産特定共同事業法とは、現物不動産を資産とするファンドの運用を規制する法律のことです。

いくなり難しい話になりましたが、要するに様々な条件をクリアした事業者が国土交通省大臣等または都道府県知事の許可を受け遂行する事業のことです。

これにより、不動産を小口商品化して販売することができ、不特定多数の出資者を募ることができるのです。

投資の種類もいくつかあり、『任意組合型』『匿名組合型』『賃貸借型』とあります。

ここでのポイントは、不動産の所有権の違いになります。

『賃貸借型』については、ある程度想像できると思いますので割愛します。

任意組合型』は不動産を組合員(全投資家と不動産特定共同事業者)が共有します。

一方で『匿名組合型』では、不動産の所有権は、不動産特定共同事業者に帰属します。

不動産小口化商品を知るうえで、不動産特定共同事業法について、理解しておきます。

J-REIT

不動産小口化商品の特徴を知る上で、よく間違えるのがJ-REIT(不動産投資信託)との違いです。

不動産投資の分野に詳しい方なら一度は耳にしたことがあると思いますが、J-REITと不動産小口化商品は全く異なる性質を持ちます。

J-REITは、市場に出回っている証券を購入し、時価による相場の変動配当によって運用される投資商品になります。

ですので、相場は常に変動します。

これをメリットとするかデメリットとするかは、人それぞれですが、変動が大きいので指値を入れるタイミングを誤ると、大きな含み損を出してしまう場合もあるので、市場の動向を注視することや一定レベルの知識が必要になります。

なお、J-REITの場合、不動産を所有することはありません。

不動産投資

最後に、不動産投資との違いについて。

不動産投資については、既にご存知の方も多いと思いますが、金融機関の融資などを活用して実際に不動産を所有します。

不動産を所有するため、それに伴う維持・管理業務が発生することを忘れてはいけません。多くの大家はこうした業務を管理会社に一任していますが、最終的な責任は所有者である大家に帰属します。

融資を活用して運用をしますので、レバレッジを効かせることができますが、その分リスクも伴う投資です。

不動産小口化商品の特徴

不動産小口化商品の特徴を一言で表すと『低リスクなのにメリットが多い』という点です。少額から投資ができる不動産小口化商品は、投資の選択肢が大きく広がる場合があるのです。

ここからは、不動産小口化商品の特徴を様々な視点から見ていきます。

なお、ここでは匿名組合型での契約を前提に考えていきます。

優良な物件に投資ができる

都内一等地の不動産に投資したいと考えている方も多いと思いますが、不動産小口化商品の場合、このような都内一等地の不動産に対して少額から投資することが可能です。

一等地の不動産に対して投資できるチャンスが不動産小口化商品にはあります。

不動産の維持管理が不要

不動産小口化商品を購入した投資家は不動産を所有しません。

ですので、維持・管理をする必要もないのです。通常、入居付け、共用部の清掃、クレーム対応、清掃、修繕など不動産を維持管理するための付帯業務が発生しますが、不動産小口化商品を購入した投資家は、これらを行う必要がありません。

投資対象がハッキリしているのでシンプルな投資です。

相続税対策にもなる

J-REITとの大きな違いになりますが、実質的に不動産の持ち分を所有することになりますので、現物不動産と同じ評価方法を採用します。

具体的には、土地は路線価、建物は固定資産税評価を採用し、課税方法が不動産投資と同じになるという点です。

不動産を所有しませんが、不動産小口化商品の相続税評価方法は”不動産の扱い”になります。

不動産小口化商品のメリットとデメリット

特徴などをまとめましたが、メリットとデメリットはどうでしょうか。投資家の目線でそれぞれ挙げていきたいと思います。

メリットについて

不動産小口化商品のメリットについて紹介します。

一等地の不動産に投資ができる

なかなか投資することができない、一等地の不動産に対して投資することができます。これは、不動産小口化商品の最大の特徴だと考えます。

不動産を小口証券化することで、より多くの投資家に分散することで、投資家はその魅力とメリットを享受するのです。

維持管理の手間がかからない

実施に不動産を所有しないので、それに伴う維持管理はしません。所有者はあくまで不特法事業者ですので、管理業務も不特法事業者が行います。

不動産小口化商品への出資者は維持管理が必要なく手間がかからないのがメリットです。

相続税対策にもなる

これまでお伝えしたようなメリットがあるにも関わらず、相続税対策にもなります。

不動産を所有しないのにも関わらず、相続評価方法は「不動産」の扱いになるため、相続税の節税にもつながります。

また、小口商品化されているため、相続人で分割しやすいのもメリットです。出資口数を遺留分で分割することが簡単にできますので、相続時のトラブルの解消にもつながります。

さらに、換金の自由度も高く、生前贈与にも効果的です。

このように、不動産投資のメリットを上手に受け継ぎ、デメリットは解消されているため、全てにおいて”いいとこ取り”ということになります、

デメリットについて

不動産小口化商品については、デメリットを探す方が難しい投資商品だと認識されています。

まず最初に、圧倒的に商品の数が少ないという点です。

商品自体のメリットはとても多いのですが、その商品供給が多くはありません。

ほとんどの場合、発売開始後すぐに完売になったりして供給が追い付いていないのが実情です。商品の認知度が低く、まだまだこれからの投資商品ではありますが、これから先間違いなく伸びてくる投資商品です。

発売されていたら、少額でも構わないので即購入しておいて損はありません。

他にも、金融機関の融資は使えないので、自己資金の範囲内でしか投資ができない、手堅い投資で大きなリターンは期待できないのもデメリットなのかもしれません。

さらに、市場に出回っている商品ではありませんので、流動性の低さにも注意が必要です。一定の運用期間内においては、自分の責任において購入者(譲渡者)を探す必要があります。運用期間内においては、原則換金できないと考えた方がよさそうです。

このような投資家に向いている

不動産小口化商品への投資に適している投資家とそうでない投資家がいます。

具体的には、「新たな投資先を探している」「少額から不動産に分散投資をしたい」「相続税対策をしたい」「相場の変動の少ない投資がしたい」このような方に最適です。

逆に、「大きなリターンを求めている」「不動産を所有したい」「流動性がほしい」といった投資家にはあまり適していないのかもしれません。

最近では、株価高騰やビットコインの高騰などの影響もあり、一攫千金を狙うような投資家が増えています。

それ自体が悪いことだとは言いませんが、将来を見据えた計画性があるかと聞かれると首を傾げてしまいます。

少額でも元金を増やしていき、受け取る配当を増やしていく。

時間を味方につけて、長期的な視点で運用することが大切であることを忘れてはいけません。


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