空き家の数が多い地域を調べてみたら以外な結果になりました・・・

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先日の日本経済新聞の記事を読んだ方も多いと思いますが、とても興味深い記事が出てましたのでシェアしたいと思います。

【空き家、全国最多は東京・世田谷区の4.9万戸】

全国の空き家を市区町村別にみると、最も空き家数が多いのは東京都世田谷区の約4万9000戸となった。2位は同大田区で、東京23区や県庁所在地市が上位に並んだ。管理不全の空き家が地域の課題となっているが、主要都市ほど深刻化している様子が読み取れる。空き家率では過疎が進む地域が高かった。

空き家、全国最多は東京・世田谷区の4.9万戸 日本経済新聞より引用

まずは以下の表をご確認下さい。

平成30年の住宅・土地統計調査の資料で、全国市区町村の空き家”数”ランキングです。こうして見ると、全てが聞いたことのあるような有名な都市であることにビックリした方も多いのではないでしょうか。

世田谷区においては、「東急世田谷線沿線」や「祖師谷地区」など、戸建てや比較的小さい集合住宅が集まる地域で65歳以上の人口の割合が高いようで、こうした地域に古くからある住宅や空き家が目立っているようです。

これらのエリアでは旧耐震基準の住居も多く、対策を講じているとのこと。

世田谷に関しては、空き家問題に加えて、2022年の生産緑地の指定解除によって住宅用地が一気に出回ることになります。今後、非常に難しい舵取りになるのではないでしょうか。

他にも東京都では、大田区、足立区に空き家が集中しています。これらの地域では路上も狭く、再建築不可の物件も多いようで、中々手をつけられないのが実情だと言われています。

他にも、鹿児島市や宇都宮市、松山市、岐阜市と地方の県庁所在地が軒並みランクインしている状況です。

大阪に目を向けると、東大阪市、尼崎市(兵庫)など町工場などが多く存在していて一昔前に賑わった地域がランクインしている状況です。

個人的に驚いたのが、吹田市です。70年の万博開催、大阪大学中心とした学園都市、千里ニュータウンなど大阪経済圏のベットタウンのイメージが強かったのですが、近年では、豊中・茨木あたりの人気が高いようです。

都心や地方の中核都市においても、地域によっては空き家問題が深刻化していて各市区町村の対策が重要になってくるのではないでしょうか。

一方で、空き家”率”で見てみると、先程とはまったく異なる結果になります。

空き家問題といえば、これらの地域を連想される方が多いと思います。

記事にも書かれていますが、夕張市、歌志内市、三笠市はかつて、炭坑の街として栄えた自治体です。石炭産業の衰退で人口が減少し、使われなくなった住居が残っているようです。

他にも地方の都市部から離れた地域が軒並み3割前後の空き家率となり、件数こそ少ないものの自治体の規模で考えた場合、財政上、非常に厳しい状況だといえるでしょう。

空き家の取引を仲介する「空き家バンク」を覗いても、あまり積極的に利用されている形跡はありません。

空き家問題を解消するためには、大前提として、人を町に誘致しなければならないのですが、何かしらの経済的インセンティブが必要になります。

固定資産税の減免、家賃補助、仕事のサポートなどに加えて、地方での生活の魅力をPRしていくべきだと思います。

参考資料:平成30年住宅・土地統計調査(住宅及び世帯に関する基本集計)