不動産投資とは、現物資産を持つ強みを生かせる投資である

現物資産を所有することの強みについて考えてみます。

投資の世界では、一般的に『金融商品』と呼ばれるものにお金を払い、相場の上げ下げによって利益を出したり、損失を被ったりします。

現物資産とは

現物資産とは、実際に形がありそれ自体に価値が伴うもののことを言います。もう少し補足して説明すると、換金性の高い実物商品と言い換えることもできます。

具体的には、貴金属・不動産などが有名ですね。

最近では、金の価格が高騰していると言われており、投資商品として注目されています。スマホやPCの素材としても需要が高まってきており、資産所有としてではなく投資商品としても注目が高まったためです。不動産投資も、多少の流行り廃りはあれど一定の割合の投資家が常に行う、ミドルリスクの投資です。

インフレ対策としての不動産投資とは

インフレはいつ起こるかわかりません。大規模災害でインフラや第一次産業が壊滅的な打撃を受けてしまったり、コロナウイルスのワクチン接種が終わった人々が一斉に消費者行動を起こしても起こりえるのがインフレです。インフレが起こると、私たちの資産はどう変化するのでしょうか。不動産投資についても言及していきます。

景気を向上させて物価を安定させる取り組み

現在、日本では消費者物価の上昇率(インフレ率)を年2%とする「物価安定の目標」を掲げ、目標の実現に向けた金融政策を行っています。

具体的には、国債の買入れなどを通じて世の中にお金が流通するような仕組みを作ります。ゼロ金利政策によって銀行は、ほぼ0%の金利でお金を調達することができます。そして、銀行が個人や企業にお金を貸し出すときの金利も低くなるのです。

貸し出しの金利が低くなれば、企業は設備投資に積極的になったり、個人では住宅など高額なものへの購買意欲が高まります。
このような流れの中では、預金金利も低くなります。

2021年2月現在の定期預金金利は、メガバンクで0.002%です。

このような状況下で、家計のポートフォリオを貯蓄一辺倒にしておくと、『仮に物価が上昇したら資産が減少してしまう』というリスクにさらされてしまいます。逆に、不動産投資をしている場合は、不動産の価値は上昇しているので、資産が増えたとも言えます。

現物資産の強みとは、シンプルにインフレ対策であること

すでに少し触れましたが、現物資産を持つことの強みについて考えていきます。
現物資産を持つことの最大のメリットは『インフレに強い資産である』ということです。

『物価が上がる』ということは、実物資産の価格が上がるということです。物の値段が上がるわけですから、ダイレクトに所有している実物資産の価格に反映されます。

もし、不動産投資として所有していた収益物件を、そのタイミングで売却すれば、投資した金額よりも大きな額で売却出来る可能性が高く、不動産投資としては”成功”ということになります。

一方、金融資産についてはどうでしょうか。ここで言及しておきます。
一般的にインフレが進行した場合ですが、基本的には、物価の上昇は株価の上昇という認識が一般的です。

しかし例外として、インフレが極度に進行した場合には、経済的な混乱が生じてしまい、一旦株価は下落傾向にあり、その後上昇します。

最終的にはインフレに追いつくように相場も上昇しますが、タイムラグが発生する場合があるので注意が必要です。

インフレに弱い資産とは、ずばり現金

これまで、不動産投資などの現物資産、金融資産におけるインフレとの関連性についてお伝えしてきました。

では、現物資産や金融資産以外、現金について考えてみましょう。

不動産など、現物資産もあわせ持つのが定石

金融資産への投資も、不動産はじめ現物資産への投資もインフレ時にはそれなりに対処できます。唯一対処できないのが、資産を現金保有している場合です。

資産のほとんどを現金保有というのは、一見、手堅いように思えますが、これは外的環境の変化に極めて弱いことを覚悟しておかなければなりません。繰り返しになりますが、資産を現金で持つということは、物価が上昇した際に対処できません。

当たり前の話ですが、100円の缶コーヒーが130円になれば、100円で缶コーヒーは買うことができません。100円の価値が相対的に下がっていることを意味します。

この場合極論ですが、私たちの資産を維持するには、100円を130円にしていなければならないのです。
不動産投資などの現物資産や金融資産などもあわせて保有しておくと、それが可能です。

結局、どういう対応になるかは二択

方法は2つです。

”所得を上げる”か不動産投資などの”投資をするか”です。

所得を上げることについてですが、日本ではこの30年間で平均賃金はほとんど変化していませんし、これからは少子高齢化に伴い、GDPが大きく伸びることも期待できないでしょう。

それであれば、一人ひとりの自助努力によって、投資をすることでしょう。

まとめ

不動産投資とは、インフレ時に資産が増える投資としてはおすすめです。
現金の所有も重要ではありますが、リスクの分散として一考の価値があります。

常に価値が向上していく都合のよい方法はないからこそ、自らの資産を守り、増やしていくためには、物価が高騰しても下落しても対応できるよう、貯蓄に一辺倒の資産形成ではなく、不動産投資をはじめとした現物資産、株式などの金融資産、現金と分散して保有していくことが重要です。