不動産投資を税金対策(節税目的)で始めてもよいか

不動産投資が税金対策に強いコンテンツだという話は、不動産投資に興味を持ち、学んでいる方は一度や二度は聞いたことがあると思います。

例えば、投資セミナーなどに訪れると「不動産投資は税金対策に優れている」「不動産投資で相続税対策」といったキャッチーな触れ込みについつい”その気”になってしまう方も多くいらっしゃるようです。

一方で「不動産投資で節税はできない」といったネット記事や「節税を意識すると不動産投資に失敗する」といった話もよく耳にします。

となると、結局、どの情報が正しくて、どの情報が間違っているのか分からなくなってしまいます。

結論から申し上げると、どちらも正解です。”どちらも正解、すなわちどちらも正しい”というのは、あなたを更に惑わしているのではなく、あなたの属性であったり、資産状況投資スタンスによって変わってきますよ。ということを私は申し上げたいのです。

そのため、タイプ別で考えるのが一番いいのです。それではいきましょう。

(*本記事では節税効果を保証するものではありません。詳細につきましては当社またはお近くの税理士などにお尋ね下さい)

Contents

不動産投資を税金(節税)対策で考えるべき人

不動産投資を税金対策(節税対策、相続税対策)として考えるべきな人は以下のような人です。

  • 給与所得が高い人
  • 相続する現金がたくさんある人
  • 利益が出ている法人

このような人は前向きに不動産投資をするべきだと私は考えています。不動産投資をすることで効率的に資産を守ることができるカラクリを実際に説明します。

給与所得の高い人

どうして給与所得が高い人は不動産投資に向いているのか

この疑問、頭では分かっているがロジックが分からない。という方に出来るだけ分かりやすく説明します。

所得税

まず、日本の所得税率は累進課税制度だということです。

つまり、給与が上がれば上がるほど、払うべき税金が多くなります。一昔前まで、高額納税者ランキングが年に1回、スポーツ新聞に掲載されていました。

「あの人こんな稼いでいるんだ」と思う反面、「半分近く税金で持っていかれるのか・・・」と同情された方も多いと思います。

日本の所得税の税率は分離課税(配当、退職、譲渡、利子などを除く)7段階に分かれて設定されています。

課税対象所得税率控除額
1,000円 から 1,949,000円5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円
所得税の速算表

まあ、この数値は調べればすぐ分かることですので、特に覚える必要はありません。感覚的に掴んでいただければ結構です。(余談ですが、以前は最高で70%(課税所得8,000万円超)だったそうです。。。)

住民税

続いて住民税についてです。

住民税は住民票のある地域に納める税金ですが、これは一律10%です。

ですので先程の表に住民税を追加するとこうなります。

課税対象所得税率住民税合計税率控除額
1,000円 から 1,949,000円5%10%15%0円
1,950,000円 から 3,299,000円10%10%20%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円20%10%30%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円23%10%33%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円33%10%43%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円40%10%50%2,796,000円
40,000,000円 以上45%10%55%4,796,000円
所得税の速算表

最高で55%の税金を納めることになります。

代表的な節税スキーム

税率が高い高所得者層(一般的に合計税率43%以上)の方は、上手に節税したいと考えるはずです。

そこで活用できるのが「損益通算」の考え方になります。

損益通算とは、給与所得から不動産所得による赤字を減らすことをいいます。

これにより、上の表にもある”課税対象の所得”を減らすことができるので、結果的に所得税・住民税を減らすことができます。

実際に、不動産投資にかかる経費はどのようなものがあるのかを確認してみましょう。

例えば、投資初年度の場合には、登記費用、不動産取得税、火災保険など取得時に必要な経費がかかります。他にも事業を維持、管理するための必要経費として、現地や不動産屋にいくための交通費や宿泊費(旅費交通費)、情報集関連に使われる費用として書籍代、セミナー、コンサルティング費用などもそれに含まれます。他にも通信費など、事業を維持していくために必要な費用は経費として損金参入させることができます。

さらに、節税効果として一番肝心な部分が「建物の減価償却費」です。

建物の減価償却費とは、建物の価値が年数の経過とともに下がっていくものとして毎年減った分の価値を一定割合ずつ償却(減らす)していくことをいいます。

減価償却は土地は対象外で建物だけに適用されます。期間は建物の構造により異なりますが以下にまとめました。

木造軽量鉄骨造鉄骨造鉄筋コンクリート造
22年19年34年47年
建物の減価償却期間

不動産投資の減価償却は、帳簿上の中で経費(減価償却費)として計上します。これはあくまでも帳簿上の中での話になりますので、実際にお金が出ていくわけではありません。

お金が出ていかないが経費計上できるため、結果的に課税対象所得を減らすことができ、税金対策につながるのです。

ここまでの話を纏めると以下の通りです。

給与所得の高い人は、累進課税によって納める税金が高くなる。なので、節税を検討する必要がある。それには不動産投資が適している。その理由は、損益通算と減価償却の考え方が適用されるから。

どのような不動産に投資すればいいの?

不動産投資のメリットが徐々に浮き彫りになってきました。

では実際に、どのような不動産に投資をすればよいのでしょうか。ハウスメーカーやワンルーム投資系の会社など、一斉に口を揃えて”節税効果”を触れ込みにして営業をしてきますが、税金対策としては効果は薄いと言わざるを得ません。

その理由は減価償却にあります。

先程、木造なら22年、軽量鉄骨造なら19年といった具合に減価償却期間の話をしましたが、購入する不動産は常に新築ということではありません。

築5年の建物もあれば、10年の建物も存在します。かたや木造で築40年といった年代物のアパートなんかも存在するわけです。

税法上は一定割合ずつ価値が下がっていき最終的には0円に近くなりますが、実際の価格はそうではありません。きちんと値段がつきます。

具体的には、次のように計算します。

【①築年数の経過している建物の耐用年数の計算】
法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2=現在の耐用年数

【②経過年数が法定耐用年数よりも大きい場合の耐用年数の計算】
法定耐用年数×0.2=現在の耐用年数

この計算式を実数に当てはめると、例えば、築年数20年の木造アパートが5,000万円(土地2,000万、建物3,000万)で販売されていた場合。

22年-16年+6年×0.2=7年7.2年で小数点未満は切り捨て)

このように算出することができ、3,000万円の建物を7年で償却することになります。

そうすると、年間の減価償却費は約428万円となるため、7年間はその分を給与所得から減らすことができます。

例えば、年間所得1,000万の給与所得者の場合、1,536,000円が控除されてそこから43%の3,639,520円の税金を納めることになりますが、不動産投資をして減価償却による圧縮をかけた場合、年間所得が572万円になり、427,000円の控除を引いた後の30%、1,587,900円を納税で済むのです。

つまり、年間で約200万円、7年間で1,400万円以上の節税効果が見込まれます。

その人の所得にもよりますが、節税効果が期待できる物件は減価償却期間が長くない、中古物件になるのです。

なお、減価償却費は実際にお金が出ている訳ではありません。金融期間の融資などを通じて購入し、返済金額の原資を家賃収入から得ることができれば、抜群の節税効果になります。

適正な投資用不動産は、一人ひとりの状況によって変わってきますので、一度ご自身の状況に照らし合わせて相談してみて下さい。

相続する現金がたくさんある人

相続する現金がたくさんある人”についても不動産投資によって税金対策を考えるべき人に該当します。

給与所得者の場合は、減価償却や不動産投資による経費計上によって所得を圧縮するスキームでしたが、相続税対策に関しては考え方が変わってきます。

給与所得者の不動産投資は”所得をいかにして圧縮するか”が重要なテーマですが、相続税対策では”資産をいかにして圧縮するか”がテーマです。

路線価

キーワードは「路線価」です。

相続税における不動産の評価基準では固定資産税による評価をベースに算出します。この固定資産税の評価は路線価よって算出されるのですが、一般的に路線価は時価の8割り程度だと言われています。

つまり、不動産を購入し、それを次世代に相続した場合は、時価ではなく路線価で評価されるため、節税対策になります。

代表的なのが一等地のマンション投資スキームです。あからさまな節税対策には注意が必要ですが、非常に有効な手段として注目を集めています。

また、路線価と時価のギャップがある不動産や将来的に資産価値の向上が見込まれる不動産などには注目すべきです。

不動産小口商品(任意組合型)にも注目

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匿名組合契約と任意組合契約の違いとは

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また、都内一等地の不動産は高すぎて購入できないという方には、不動産小口化商品の購入もオススメです。

任意組合型の商品であれば、実際に持ち分を購入しますので不動産を所有することになります。所有することにより、相続時には路線価による評価が適用されるので、相続税対策につながるのです。

なお、郊外などの一部地域では路線価が定められていない地域があります。その場合は、地域毎に定められている倍率表によって土地を評価(固定資産税評価額×倍率)しますのでご注意ください。

時価と路線価の差分を活かす

このように、相続税対策の不動産投資では建物の減価償却についてはそこまで重要視しません。建物の償却による考え方も存在しますが、基本的には「時価」と「路線価」の差分が相続税対策になると理解しておきましょう。

一点、注意が必要になりますが、法人で取得した不動産が相続税評価額で評価されるためには、取得後3年が経過している必要があります。3年以内の相続は取得価格での評価になるため、長期的な視点で対策に臨む必要があるのです。

利益が出ている法人

法人の場合も、個人の所得税を圧縮するスキームと同じ考え方で構いませんが、法人税は約30%ですので、節税効果という意味では期待できない側面もあります。

とはいえ、減価償却による経費計上については、税対策として威力を発揮しますので選択肢の一つとして考えておいて損はありません。

不動産投資を資産運用として考えるべき人

続いて、不動産投資を資産運用として考えるべき人とはどのような人でしょうか。

これは、非常に難しい問題です。

私個人の考えとしては、現在の所得に満足がしていない方が対象になると考えています。そのような方は、経費を極力抑え、残るお金を増やすべきです。

先程の所得税の速算表になりますが、課税対象所得が900万円未満の方については、税金対策よりも資産運用に力を入れてみてはいかがかと思うのです。

課税対象所得税率住民税合計税率控除額
1,000円 から 1,949,000円5%10%15%0円
1,950,000円 から 3,299,000円10%10%20%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円20%10%30%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円23%10%33%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円33%10%43%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円40%10%50%2,796,000円
40,000,000円 以上45%10%55%4,796,000円
所得税の速算表

合計税率も900万円以上の方と比べて10%も下がりますので、節税によって出る金額を減らすのではなく、お金を増やす運用をするべきです。

そのような場合は、不動産投資よりも不動産小口化商品を購入できる範囲で購入し、手堅く配当を受け取る運用方法を選択します。

節税によって残す金額よりも運用によって増える金額の方が大きくなるケースが多く、不動産投資によるリスクも回避できます。

当社では、不動産特定共同事業のトモタクを運営しています。

商品は、匿名組合型で実際に不動産を所有しません。税金対策にはなりませんが、年4回の配当受け取りにより、手堅く資産を増やすことができる商品です。

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