【転換期を迎える不動産投資】不動産特定共同事業の普及でこれからの投資活動はどのように変化するのだろうか?

平成29年度に改正された、不動産特定共同事業法(以下:不特法)によりに創設された「小規模不動産特定共同事業」では、小口の投資資金による不動産の利活用が可能になりました。

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不動産特定共同事業法の改正

不特法が改正された背景をざっくり説明すると、規制緩和により”小規模事業者の参入”を促すことと、”投資家の母数を増やす”ことが目的といわれています。

平成6年に制定された、同法律は比較的歴史が古く以前から存在していましたが、一般的に馴染みのあるものとは言えませんでした。

しかし、平成25年、29年と改正を繰り返すたびに、馴染みある制度となり事業者、投資家ともに参入しやすいものに形を変えてきています。

特に、平成29年の改正では、「小規模事業者の参入」、「投資家の参入」の機会が幅広く解放され、現物不動産への投資が非常に身近なものになりつつあります。

小規模事業者の参入は何を意味するのか

不動産特定共同事業への小規模事業者の参入は実際どのような効果があるのか、を考えてみます。

平成29年に「小規模不動産特定共同事業」が創設されました。

地域活性化への期待

第1に、小規模不動産特定共同事業者に期待される事は地域(地方)の活性化だと言われています。

  • アイディアはあるけど、銀行の融資では資金調達が出来ない。
  • 所有している不動産を有効活用してもらいたい。
  • いい物件があるので、出資を募って不動産事業を展開したい。

地域に付いた不動産会社や不動産再生を得意としている会社などが、小口の投資を上手く活用して遊休不動産、空き家、古民家などの利活用に取り組み、地域活性化に繋がることが期待されています。

資金調達手段の多様化

第2に、地域の空き家問題を解決や古民家や遊休不動産の活用でリノベーション、リフォームなどを行うための資金調達手段が多様化することが期待されます。

例えば、クラウドファンディング。

インターネットを通じて、より多くの投資家から資金調達をする手法になります。不特法の改正によりクラウドファンディングによる資金調達が解禁されています。

資金調達の手段が増えることで、不動産投資のパイが拡大し業界全体が活性化されることが期待されます。

不動産業界はIT化が緩やかであると言われていましたが、ここにきて一気に加速するかもしれませんね。

今後の不動産投資はどう変化するのか

不特法が改正され、投資の選択肢がまた一つ増えたことは非常に興味深いです。

J-REITの存在

不動産投資を細分化し、投資金額に応じて配当する仕組みは以前から存在していて、代表的なものとしては、不動産投資信託のREIT(J-REIT)があります。

J-REITは不動産を証券化し市場で小口化販売することで、より多くの投資家から資金を調達でき、換金性に優れている点が魅力だと言われています。

J-REITは既に市場が確立されていて非常に活発です。不特法もJ-REITのように小口資金を集め投資を行ない、不動産を再生、活性化することを目指しています。

その他、私募リート、私募ファンド、ブリッジファンドなどがありますが、これらはいずれも、大型案件に対する投資になるので、中小規模の現物不動産への投資とは一線を画いています。

不動産投資信託の違いについて(図解)

REITと不動産特定共同事業の違い

REITと不動産特定共同事業の違いを一言で表すと、投資対象の違いです。

REITの投資先は、小口化された「証券」になります。

不動産特定共同事業への投資は、「現物不動産」になります。

「現物不動産に投資する」ということが肝になり、例えば、路線価方式で税評価をする相続税の対策に不動産特定共同事業を有効活用する人も多く出てくると思われます。

相続税対策の話はここでは割愛しますが、別の記事に記載されていますので併せてご確認下さい。

https://oo-ya.jp/rssjb/811/

収益不動産への投資が少額から可能に

社会問題の解決に焦点を当ててきましたが、もちろん純粋な投資としての側面も忘れてはいけません。

投資の選択肢が増えることは、不動産投資を通じての資産形成が行いやすくなったことを意味します。

従来の不動産投資は、数千万単位の自己資金を用意するか、金融機関からの借入しか選択肢がなく、一般的にハードルが高い投資手法でした。

さらに、不正融資問題などの影響により、金融機関は個人投資家への融資を控える傾向にあるため収益不動産販売自体が停滞気味になっています。

このような状況の中、不特法の改正は収益不動産購入における新たな資金調達スキームとして、今後ますます注目されるでしょう。

今後の不動産投資のトレンド

資金調達方法が増えたことにより、今後は全国で古民家再生や空き家対策事業が一層活発に行われることが予想されます。

クラウドファンディングの流行

2020年は『老後2,000万円問題』が一つのキーワードとして多用され、私たちの、資産形成のあり方について改めて考えさせられる時代となりました。

少額からでも投資をスタートすることに対する意識も高まり、不景気やデフレに強いとされる不動産投資が見直されています。

とはいえ、「銀行から融資を受けてまで不動産投資をしたくはない」といった声もよく耳にします。そういった中、自己資金の範囲内で無理なく、持続的な投資活動が可能な、不動産投資型クラウドファンディングは、今後さらに、流行するでしょう。

企画やアイディアに対して投資をする時代に

古民家や遊休不動産、入居者がつかない空き家などを活用したプロジェクトも活性化することが考えられます。

従来の面前取引では実化することが難しかった、企画やアイディアをもとにした事業に対しても、インターネットを通じて、広く投資家を募ることが可能になります。

社会貢献性の強い、尖ったアイディアを形にするような企画に関してもクラウドファンディングを通じて出資者を募ることで実現する可能性は十分に考えられます。

収益不動産事業への投資から不動産を活用したコンテンツへの投資が中心になる日は近いのではないでしょうか。

少額の一般投資家の参加が大幅に増える

これまでは、不動産投資や投資は一部の資産家が行う資産運用の一つでした。それは面前取引や営業マンから得る情報が全てだった時代背景も関係しています。

しかし、これからはインターネットやYouTubeなどを通じた情報収集が主流になります。一般投資家の見本になるような一般投資家の台頭で、投資がより身近なものになっていきます。

「自分にもできそうだ」このような考え方を持った人が多く出現し、投資はますます盛んになることが予想されます。


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