働き方改革から考察する不動産需要の将来像について
高速インターネット通信やスマホの普及によって私たちの働き方は以前と比べて、大きく変化している。2008年に世界22地域でiPhone3Gが発売されて以来、モバイルインターネットが普及し私たちの働き方にも大きな影響を与えた。そして2010年以降には、様々なクラウドサービスが配信され、今やインターネットは、私たちのビジネスシーンにおいて必要不可欠なものになっている。
2019年現在、ネットインフラの普及に伴い「働き方改革」という言葉が流行しているが、「将来的な不動産需要とどのように関係してくるのか」を少し考えてみたいと思う。
ここで重要なのが、”働き方”や”暮らし方”になると私は考えている。
まず、働き方に関して。
テレワークや在宅ワークは、今後ますます普及していき勤務地選択の一つとして広く一般的に認識されるだろう。
それに伴い、人々の暮らし方にも将来、大きな変化が起こるのではないか、と私は考えている。
それは、都心部への一極集中から郊外への分散である。
人々が働き暮らす上で、時間的・場所的制約から解放され、活動し、休息する「人間の1日24時間」を心身ともに充実させる、真に優しい不動産の姿は、決して都心部だけでは実現できず、その在り方自体を改めて考えていくべきだと私は思う。
メールやチャット、テレビ会議システム、クラウド環境をはじめとするインターネット環境の技術的進歩は、企業の生産性を大きく向上させ、効率化させると同時に、私たち個人の生活利便性までも高めている。
例えば、日用品や食料品などの生活必需品においてもインターネット環境があれば、翌日には家の前に届けてくれる。
このような環境変化は、不動産の供給側の視点で見れば、立地的な制約が緩やかになってきたと考えられ、人々のワークスタイル、ライフスタイルの多様化に伴って、不動産需要の分散化も十分期待できる。
従って、今までは目も向けられなかったような郊外の戸建てや駅から離れている立地的な制約が高い物件などにも注目が集まるかもしれない。
現在、社会問題にもなっている空き家問題も働き方改革によって解決の糸口が見つかるのではないだろうか。
今後の社会の変化を楽しみにするとともに、私たちにできることはないのかを更に考えていきたい。