退職金で不動産投資はアリかナシか?

独立行政法人労働政策研究・研修機構の令和元年退職金、年金及び定年制事情調査によると、平成30年度1年間(決算期間)の平均退職金支給額は調査産業計では定年退職12,138千円(会社都合13,002千円、自己都合4,144千円)、製造業では定年退職11,422千円(会社都合11,746千円、自己都合3,210千円)でした。

退職金の平均額は1,213万円になりますが、平均寿命84歳の日本においては、決して高い金額ではありません。

定年退職後、平均して約20年間の老後の暮らし、健康寿命が75歳前後であることを考えると、あなたの経済的な不安は解消されていますでしょうか。

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労働力の需要減で定年後の収入は激減?

定年退職後も仕事に就きたいと考えている方も多いようですが、これから先は、誰でもできるような、軽微な仕事は機械化・システム化によって確実に減っていくことを念頭に入れておく必要があります。

定年退職後も働くことを期待していると、思わぬ落とし穴に引っかかってしまう恐れがありますので、注意が必要です。

退職金を資産運用に回す

理想は高いですが、定年後の”対策”として、資産運用についてしっかりと学んでおく必要があります。

では、平均1,200万円の退職金をどのような商品で運用していくのがよいのか考えてみましょう。

単利か?複利か?

単利の投資商品か複利の投資商品か?迷われる方がいらっしゃると思いますが、これに関しては、どちらでも構わないと思います。

ご存知の通り「複利」の場合、時間が有効に働きます。

ですので、現役世代が資産を長期的に増やすことを目的といているのであれば、相当プラスに働くわけですが、定年退職後の投資の場合は、配当を”年金の上乗せ”のような感覚で捉えることが多く、再投資に回すのではなく、その都度受け取り、生活を豊かにする方向で考えた方がよさそうです。

ですので、退職金の投資は年金の上乗せとして位置づけるのがよいのではないでしょうか。

退職金を資産運用したらいくら貰える?

実際、1,200万円を年利5%で運用した場合、年間の配当は60万円で月換算すると約5万円になります。

厚生年金(国民年金分含む)の月々の平均受給額は、男性の平均支給額が約16万6,000円、女性の平均支給額が約10万3,000円ですので、夫婦で暮らす場合は、約30万ほどの収入が確保でき、月々のキャッシュフローとしては一定額を確保できていると言えます。

労働力の需要が減り、仕事を得ることが今までのように期待できない以上、お金を上手に働かせてキャッシュフローを増やすための自助努力が必要になります。

退職金を不動産に投資するのは危険?

退職金を不動産に投資してみてはいかがでしょうか?

このような謳い文句を聞きますが、正直言ってなかなか難しい部分があると思います。

不動産投資の場合、一定のリスクが伴い、一定レベルの知識が求められます。それに加えて、購入する不動産を誤ると売却するのに時間がかかったりします。現金化を急ぐ場合、買い叩かれたりもするため、難しい投資だと思います。

一方で、不動産小口化商品については、退職金の投資先として推奨できます。

不動産小口化商品は、実際に不動産を購入して自ら管理運用するのではありません。それらは全て、事業者が運営し、投資家は匿名組合契約によって小口化された商品を購入するだけでいいのです。

マスターリースや優先劣後構造の採用など出資者保護のための施策も取られているため、低リスクで安定した投資が実現できるのです。

退職金を不動産投資で運用するのは推奨できませんが、小口化商品への出資であれば非常におすすめできると考えています。


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