デジタル×アナログで不動産投資の賃貸需要を見極める

多くの不動産投資家にとって、物件周辺地域の賃貸需要はとても気になるところです。

これまで賃貸需要を確認する際に、仲介会社の情報だけを頼りにされていた方も多くいらっしゃると思います。信頼できる仲介会社であれば、それでも構いませんが、それ以外にもデジタルの力を上手く活用しながら、多面的に判断するとよいのではないでしょうか。

レントロールだけで判断してはならない

不動産投資をするにあたって、まず収益不動産物件を購入する必要がありますが不動産仲介会社から用意された資料だけで購入の判断をしてはいけません。

それは、手元にある資料だけでは、実際の賃貸需要の判断はなかなかできないからです。

資料の中の一つにあるレントロールは、現在の入居者の状況を表しています。ですから、賃料の中身については入居当時の情報です。入居年月日にもよりますが、あくまで過去のデータになりますので、現在の賃貸需要とは乖離している可能性も十分に考慮する必要があります。

入居当時近隣にあった、大きな会社が今は閉鎖され移転した場合や、ショッピング施設が閉館した場合については少なからず賃料や賃貸需要に影響が及ぶはずです。

利回りが高く、シュミレーション上はキャッシュフローが出ていても賃貸需要と家賃相場を見誤れば、その収益は根本的におかしなものになってしまいます。

このような情報はレントロールだけでは読み解くことはできません。実際に、自分の目で状況を確認する必要があるのです。

インターネットを活用した賃貸需要の見分け方法

インターネットを活用することで、賃貸需要の”荒チェック”をすることができます。

あなたは、LIFULL HOME’Sの「見える!賃貸経営」をご存知でしょうか。このサイトを上手に活用することで、地域の賃貸需要を知ることができるのです。

このサイトは非常に便利で、地域ごとに絞り込みをして様々な視点で情報をチェックすることができます。

ヒートマップの活用で賃貸需要を確認する

例えば、千葉県千葉市中央区の賃貸需要の確認をしていきます。

上の画像を確認すると、ヒートマップで識別されているのがわかると思います。

賃貸入居希望者がよく閲覧する物件の場所を地図上に10段階で色分け表示されていて、紫色から赤色になるにつれて、ニーズが高いエリアだということが、分かるようになっています。

購入を検討されているエリアの賃貸需要をヒートマップで確認しすることで、検索需要を確認することができるのです。

希望条件でニーズを確認し需給バランスをチェック

入居希望者の検索条件と実際に掲載されている情報を照らし合わせれば、不動産の需給バランスを確認することができます。

『賃貸入居者の希望間取り』では、賃貸物件を探すユーザーの間取りニーズとLIFULL HOME’Sに掲載されている物件をグラフ化し比較して表示されています。

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これにより、入居希望者の検索条件>LIFULL HOME’Sの掲載数となれば、入居者の需要の方が高いことが分かり、逆であれば、供給の方が高いことがわかります。

間取り条件と需給バランスを確認することが、物件の購入判断にも繋がりますので、ぜひ確認したいところではあります。

他にも、賃貸希望者の希望家賃を検索数と掲載数で比較したり、住戸の広さを検索数と掲載数で比較したものなどがあります。

希望家賃別でみた受給バランス -LIFULL HOME’Sより抜粋
住戸の広さで見た受給バランス -LIFULL HOME’Sより抜粋

他にも「築年数」「広さ」「駅からの距離」「家賃相場」など、様々な視点でフィルタリングすることができるため、色々な情報をかけ合わせてチェックすることができます。

それにより、今購入を検討している不動産が、世の中のニーズに合致しているのかを客観的な指標を元に判断することができるのです。

家賃相場の確認をする

ぜひ定期的に家賃相場をチェックして下さい。

家賃相場のチェック方法はそんなに難しくはありません。

例えば、あなたが、築20年のアパートを所有していたとします。各部屋の間取りは1K、広さは20㎡、駅から徒歩10分だとします。

その場合、各不動産ポータルサイトで、実際に物件を探してみましょう。

条件を絞り込んで検索をすると、あなたのライバルとなる物件の情報が出てきます。

これを見て、現在の家賃が高いのか安いのか、適正なのかを確認します。現在、購入を検討している不動産の賃料が相場と同じくらいであれば問題はありません。また、家賃が低ければ、ポテンシャルは高い物件になります。

逆に相場よりも家賃が高い場合は、適宜見直しが必要になります。

利回りが下がることを覚悟した上で購入を決断するべきです。

客付け業者に会ってヒアリング

最後に”脚を使って情報を確かめる”行為を侮ってはけません。

物件の近隣にある『客付け業者』を積極的に訪れるようにします。そこで、地域の状況、家賃相場、そもそも賃貸需要があるエリアなのか?を含めて直接ヒアリングするようにします。

この地域の不動産購入を検討していて、客付けや管理をしてくれる業者を探していると伝えれば、異本的には体にな説明をしてくれます。なにせ、将来のお客様になる可能性があるわけですから、親切丁寧な対応をするのは当然のことです。

購入しようと思っている物件の近隣情報と賃貸需要については、とても大切な仕事の一つです。レントロールや資料を見ただけでは分からない”生の情報”が隠されています。

ウェブサイトを通じて情報を集めるのも重要ですが、実際に現場でご活躍されている客付け業者の情報も侮れません。デジタルとアナログを上手にミックスさせることが大切です。