投資の種類 | 不動産投資と株式投資を比較する
不動産投資の特徴は他の金融商品と比較すると、はっきりと浮き彫りになります。
株式投資と比べながら、不動産投資のメリット・デメリットを確認していきます。特に、他の金融商品への投資をされている方や不動産投資と迷われている方にとっては非常に参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
商品を『最低購入金額』『借入原資の可否』『収益の出し方』『手軽さ』『流動性』『リスク』『リターン』の7つの観点から比較していきます。
Contents
不動産投資と株式投資の違い
まず最初は『不動産投資』と『株式投資』の違いについて俯瞰的に確認していきましょう。
ー | 不動産投資 | 株式投資 |
---|---|---|
最低購入金額 | 数百万~数千万以上(*物件による) | 1万円程度~購入可能(*銘柄による) |
金融機関の借入 | 可 | 不可 |
収益の出し方 | キャピタルまたはインカム | キャピタルまたはインカム |
手軽さ | 手軽にはできない | 手軽にできる |
流動性 | 流動性はない | 流動性あり |
リスク | 普通 | 高い |
リターン | 普通 | 高い |
不動産投資と株式投資ではどちらが投資資金がかかる?
投資を始めるにあたり必要な資金については不動産投資の方が圧倒的にかかります。不動産投資では、区分所有のアパートやマンションだとしても数百万円~、一棟収益物件の場合は数千万円~の初期費用が必要です。
一方で、株式投資の場合は購入する銘柄にもよりますが、1万円程度~購入することが可能です。日本の株式銘柄の売買単元は最低100単元からになりますので、株価の100倍の資金が必要です。
不動産投資の株式投資における投資資金の準備方法の違いとは
投資資金の準備方法については大きな違いがあります。不動産投資の場合、購入する不動産そのものが担保になるため、投資資金を融資によって賄うことができます。
株式投資の場合はそれを目的とした資金調達ができません。原則、自己資金での投資になります。
不動産投資と株式投資の収益の出し方の違いについて
収益の出し方についてはどうでしょうか。不動産投資では、毎月の賃料による収入と収益不動産を売却した際に発生する収益になります。
株式投資の場合も同じです。株の配当は起業が本業で得た利益を株主に還元する仕組みです。年に1回の本決算、中間決算を含めた年2回の配当を株主を受け取ります。
ただし、配当については全ての企業が実施しているわけではありません。成長性の高い企業や無配当で事業の投資に資金を回し、さらに利益を出すことによって株価を上げることで、株主に利益を還元する企業も多く存在します。
株式投資ついても、株の配当と売却によって生じる利益によって投資家は収益を出していきます。
不動産投資と株式投資どちらが手軽にできるのか
次に投資の手軽さについてです。あなたが「これから投資を始めたい」と思い立っても、なかなか投資が始められなかったら、その情熱も冷めてしまうかもしれません。
投資は、実際に少額でもいいから自分のお金を運用してこそ価値のあるものになります。失敗(損をする)も含めた経験値や実際に投資をすることで得ることができる知識に関しては、机上では絶対に得ることはできません。
ですので、この『手軽さ』は、投資をするうえでとても重要な要素の一つなのです。
不動産投資を始める場合、物件選び、銀行との融資交渉、管理会社との契約、各種手続きなどのプロセスがあり、運用後も多くの業務が発生します。
株式投資の場合、今やスマホ一台あれば投資を始めることができますし、中長期的に運用するのであれば、しばらく放置することだってできます。株価が気になる方にしても定期的に株価をチェックしたり、投資先企業のIRや関連情報をチェックする程度です。(*もちろん株に関しても本気でやるのであれば、しっかり勉強する必要がありますのでとても大変です)
手軽さという意味では株式投資に軍配が上がります。
不動産投資と株式投資どちらが流動性が高いか
資産の流動性という観点からはどうでしょうか。
この点に関しては、圧倒的に株式投資の方が優れています。
不動産投資の流動性とは、資産である不動産が売却された時点のことを指します。不動産の評価方法はいくつもありますが、不動産の価値とは、実際に売却された価格で、実際にその物件が売れなければ全く意味のないものです。
一方で、株式投資の場合は市場に公開されているため、いつでも売買可能です。株の評価額は『時価』といい、その時々の『時価』で自由に売買することができます。
株式投資をしている場合は、株価×保有数があなたの資産価値と捉えて問題ありません。それくらい流動性の高い資産だということです。
不動産投資と株式投資どちらがリスクが低い投資手法なのか?
リスクについてです。
リスクについては一律の判断をするのが難しいテーマです。どの部分を軸にして比較するのかによって変わってきます。
例えば、『金融機関から融資を受けるかどうか』という点から判断した場合は融資を活用する不動産投資の方がリスクは高いと言えますが、収益不動産は物件そのものが市場に公開されているわけではありません。また土地に関しては価値が下がるものではありませんので、一定レベルでの評価が担保されます。そういった意味では、不動産投資は株式投資と比べてリスクが低い投資だと言えるでしょう。
ここで言うリスクを『評価が限りなくゼロに近くなる確率』で評価する場合は、土地という高い担保性ある点と入居者がいることで定期的な家賃収入が見込まれるという点から、不動産投資の方がリスクが低い投資であると言えます。
不動産投資と株式投資どちらがリターンが大きい投資手法なのか?
最後はリターンについて。
『リターンが大きい投資手法』随分とオブラートに包んだ言い回しですが、あなたが知りたいのは「不動産投資と株式投資ぶっちゃけどっちが儲かるの?」ということのハズです。
これは凄い難しい質問です。なぜなら投資を始める際の自己資金が全然違うからです。
ここであなたに質問です。想像してみて下さい。
あなたが現金で自由に使えるお金として3,000万円持っていたら、不動産投資をしますか?それとも株に投資しますか?
あなたが思い浮かべた答えが、きっとリターンが大きい投資手法になります。
ちなみに、私は株式投資を想像しました。
そもそも不動産投資は、金融機関の融資を活用することで、少額の自己資金で大きなレバレッジ効果が得られる投資なのだと私は思います。ですので「年収数百万でも不動産投資家になれる!」みたいな宣伝もよく見ますし、全てにおいて少ない自己資金で融資を活用して行なうことを前提に商品設計されているのだと思います。
株式投資の場合は、自己資金を投資することが前提となっていますので、同じ資金を投入して「よーいドン」で始めた場合は、株式投資の方が大きなリターンを上げることが出来ると私は思うのです。
もちろん、相場は変動しますので”上がったり下がったり”のリスクはありますが、資本主義経済の摂理に沿って考えてば、長期的には株価は上昇するからです。
不動産投資のメリットにもっとフォーカスしてみよう
このままだと不動産投資が不甲斐なさ過ぎるので、ここから先は全力で不動産投資のメリットにフォーカスしていきます。
これまで不動産投資と株式投資を比較してきました。株式投資の方が流動性が高く手軽に始められ、しばらくはリターンも期待できるというのが私の考えです。
ただ、現在の日本株式市場に関しては、不気味といいますか完全に操作されている感が拭えません。日銀やGPIFが株価を下支えしている状況で、民主主義国家らしからぬ形相となっています。彼らが投資することを止めることは、スグにはないと思いますが長期的な展望としては不安な一面も垣間見えます。
一方で、不動産投資のメリットは株式投資には絶対に真似できないものばかりで、投資家のタイプや考え方によっては不動産投資が圧倒的におすすめの投資手法になる場合があるのです。
レバレッジを効かせた投資ができる
不動産投資では、金融機関の借入を利用し自己資金の何倍にもなる取引をすることができます。一定の自己資金を頭金にして、金融機関から借りたお金を利用し事業として展開できるのが魅力なのです。
このように他人のお金で資産運用できるという点が不動産投資の最大の魅力だと私は思います。
他人のお金とはいえ、出資ではなく銀行からの融資になりますので、返済義務は生じますが家賃収入を返済の原資にしてしまえば、自己資金ゼロで不動産投資をすることすら可能なのです。自分のお金を使うことなくできる唯一の投資が不動産投資なのです。
実際に、自己資金を全く使わずに家賃収入が億単位のメガ大家、投資総額が10億円以上のギガ大家といった話もよく耳にします。不動産投資は、一般投資家が努力によって手にすることができるジャパニーズ・ドリームなのです。
インフレに強い投資である
不動産投資はインフレに強い投資です。
インフレが起こると不動産投資には非常に良い影響を与えます。インフレとは物価が上昇することです。物価が上昇すれば、それに伴い、賃料もそれに追随して上昇します。
それにも関わらず、融資の元金は変わりませんし契約時点の金利も変わることはありません。すると、実質的には利回りが高くなるわけですから、不動産投資にとってインフレは好都合な現象になります。
資産性が強い商品を手にすることができる
投資先の物件にもよりますが、不動産は資産性があると言われています。不動産を”負動産”と揶揄する人もいるようですが、少なくても土地部分については、評価が落ちることはありませんし、銀行がそれを担保にお金を貸してくれるということは『資産性がある』と捉えて問題はないわけです。
また、借入の返済が終わった後も所有し続けているのであれば、ずっとお金を生み続けてくれることになりますし、その時点で売却をしても大きな利益が残る可能性が大きいです。
そして不動産投資のメリットは『資産性が高くお金を生み続けてくれる』不動産を、他人のお金で所有することができるという点なのです。