ご存知ですか??家計金融資産の50%以上が現金・預金だという事実を

今回は、家計金融資産構成について少し目を向けてみます。もしかしたら、この記事によって、あなたが潜在的に感じていた危機感が顕在化していまうかもしれません、

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家計における金融資産構成

まずは下の図をご確認下さい。

日本銀行「資金循環の日米比較」より

これは、日米における「家計金融構成比率」について記したグラフです。ぱっと見ただけで、日本とアメリカでは、根本的にお金に対する考え方が違う事が分かるのではないでしょうか。

日本とアメリカの金融資産構成の違い

もう少し、個別具体的に見ていきます。

まず注目すべきは、『現金・預金の構成』についてです。

日本の家計金融資産構成比率の実に半分以上(55.3%)が現預金です。2019年時点での話になりますが、日本の個人金融資産総額は1,864兆円だと言われています。その内の55.3%ですから、約1,030兆円余りが現金・預金ということになります。

この数字だけを見ると、すごい数字だと感じた方はほとんどではないでしょうか。

一方で、アメリカにおいては金融資産構成の内、実に12.9%しか現預金がありません。

先に結論的な数字を出してしまいますが、2019年時点でのアメリカの個人金融資産は9,855兆円ですので、1,271兆円が現金・預金ということになります。

この数字を単純比較することはもちろんできません。人口は日本の2.6倍以上ですので、一人あたりの現金・預金は少ないことになりますし、総金融資産は多いのは、まぁ当然だと考えるでしょう。

投資領域の大きいアメリカ

先ほどのグラフをもう一度、確認してみましょう。

アメリカでは投資領域の割合が大きい

日本とアメリカにおける個人の金融資産の構成では、投資領域に大きな違いがあります。

日本では、全金融資産の中に占める「債券・投資信託・株式・出資金」の割合が、15.2%しかないのに対して、アメリカでは、52.8%です。この数字の違いをみれば、日本人がいかに投資に対して消極的なのかが分かると思います。

アメリカ人は投資に対して積極的で、日本人は消極的である。このように現在の数字だけを見ても、「日本人は堅実な国民性なんだな」というプラスの印象を受ける方も多いでしょう。

ですので、次に時間軸を過去に巻き戻してみて『成長度合い』について確認して生きたいと思います。これを見ると、皆さんは相当危機感を感じるのではないかと思います。

過去から現在までの成長スピードの違い

時間を25年ほど前に巻き戻してみます。この間に日本とアメリカにおける金融資産はどのような状況になったのかを見ていきます。

失われた25年の日本

日本ではバブル経済が崩壊して長い低迷期に入ったところです。この時の個人金融資産は1,182兆円でした。2019年時点での個人金融資産は1,864兆円ですので、24年の歳月を経て、1.55倍になりました。これを率換算すると、2.3%(年)で増えていった計算になりますね。

大きく成長したアメリカ

1995年のアメリカの個人金融資産は2,343兆円でした。当然、日本とアメリカでは人口が違いますので、この程度の差はあると思います。むしろ、日本はよく検討していると行った感じでしょう。

しかし、それから24年が経過した、2019年の数字を見ると、9,855円になっているのです、4.2倍にまで数字が膨れ上がり、年換算して伸び率は実に13.3%ということになります。

人口の差こそありますが、1.9倍だった金融資産が24年の時を経て2019年には、5.3倍まで広がっています。この事実にはしっかりと目を向けなければなりません。

日本とアメリカでは個人金融資産の差が広がる一方です

平均賃金について

個人金融資産の伸びが非常に鈍いのが現状のようですが、平均賃金についても同じです。

1995年当時の日本の平均賃金は457万円です。2019年ではどうでしょうか?

平均賃金は、伸びているのかと思いきや、441万円と逆に減っているのです。。。

他国についてですが、アメリカは4万7,114ドル→6万3,093ドルへと1.34倍増加、フランスでは3万4,058ドル→4万4,510ドルへと1.31倍増加となります。

インフレ調整などもありますが、実感としては確実に日本人の平均賃金は変わっていないということです。

隣国の韓国と比べても、肉薄してします。韓国は2万3,981ドル→3万9,472ドルと1.65倍の増加です。

最近でこそ、コロナウイルスの関係でインバウンド需要は落ち込んでいますが、訪日旅行者が多いのも、日本の観光資源に魅力を感じているからというよりも、単純に物価が安いからではないでしょうか。

私たちが東南アジアの物価が安い事を理由に旅行に出かけていたことと同じ現象が逆転現象として今起きているのです。

それくらい、日本は今、相対的に貧しくなっているということを知っておくべきです。

世界との差は開くばかり

元々、日本は世界一の金持ち国家だと言われていました。平成という時代を振り返りながら、当時と今の時価総額ランキングをチェックします。

分かってはいるものの、改めて確認すると結構衝撃的でした。。。

時価総額ランキング比較

時は、平成元年(1989年)まさにバブル絶頂期です。1989年の大納会では、日経平均株価が最高値を記録しました。終値は38,915円87銭、取引時間中の高値は38,957円44銭。バブル経済の絶頂期の記録です。

しかし30年後を見てみると、多くの日本企業の名前が消えてしまいました。日本の最高位はトヨタ自動車の43位で時価総額は1787.6ドルです。

世界と日本の間にはこの30年の間に大きな差ができてしました。この差は、今後余程のことがない限り、埋めるのは難しいでしょう。。。

これから始まる個人金融資産の取り崩し

2019年現在、日本には1,864兆円の金融資産があると言われています。金額だけに注目すれば、大きな金額で十分なキャパシティがあると思いがちですが、この金額についても今後は大きく目減りしていくことは明らかです。

それは、高齢化社会です。

現金・預金保有者の大半と言われる世代が、次々に高齢者になっています。1947年~1949年に生まれた団塊世代も順次、後期高齢者になります。だんだんと身体の自由がきかなくなり、社会の第一線から離れていくでしょう。すると、これまでの貯蓄を切り崩しながら、生活をしていくことになるため、現金・預金は多くく目減りすることになるのです。

先ほども言いましたが、日本人の多くは、投資活動や資産運用を積極的にしていません。

日本の家計金融資産構成比率

ですので、高齢者の収入における投資比率が極めて低く、年金と預金に頼ることしかできないのです。

これは、非常に大きな問題です。

投資のイメージを変える必要がある

私は日本人が決して投資が苦手な国民性だとは思いません。ですが、投資に対してある種の”偏見”をいただいていることは事実だと思います。

投資はギャンブルではありません

あなたも自分の親や奥さんにこのようなことを言われた記憶はありませんか?

「投資なんかしていないで真面目にコツコツ働きなさい」

「そんなギャンブルみたいなことしないで」

「我が家は家訓で投資をしないことにしているんだ」

個人的な考えになりますが、投資=ギャンブルと捉えている人が非常に多い気がします。

これは断言できますが、投資はギャンブルではありません。もしあなたが、ギャンブルだと感じているのであれば、世の中のこと、経済のこと、会計のこと、財務のことをきちんと勉強し直すべきです。

私自身もまだまだ未知なことが多いですが、自分で納得した商品やサービスには、投資をするようにしています。少なくとも、投資商品の話をされた段階で”塩を撒く”ようなアレルギー反応を起こしたりはしません。

もちろん、営業マンの言われるがままに勧められた商品を購入することはしてはいけませんよ。

労働者マインドからの脱却を

日本人は勤勉で規律正しい国民だと言われています。これは、労働者としては最高の能力なのかもしれません。

日本人は労働者としてのマインドが大きく根付いているのでしょう。

人口が増え続け経済が右肩上がりに成長しているフェーズにおいては、最高のパフォーマンスを発揮します。*事実、平成元年の時価総額ランキングに表れています。

しかし、それは労働者としてのマインドです。

戦後の焦土からの復興に向けて、一人ひとりが労働者にならざるを得なかったため、いつの間にか労働者としてのマインドが深く根付いてしまったのです。

明治時代に遡れば、あの「渋沢栄一」がパリに出向き、近代西洋社会に触れ、資本主義のマインドを持ち帰りました。そしてその後、みずほFG、東京海上火災保険、日本郵政、カネボウ、キリンビール、帝国ホテルなどの立ち上げに関わり、今も一流企業として存続しています。

財閥は解体し、資本家としての成功体験は失われてしまいましたが、私たち日本人の中には資本家のマインドは脈々と受け継がれているはずです、

今一度、自分自身のマインドを再セットし、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。労働者としての優れた部分は残しつつ、資本家としてのマインドを今一度呼び起こし実行することで、あなたの未来は心豊かなものになるに違いありません。

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