不動産投資のリスク回避 | 新築マンション投資のリスクについて考える
不動産投資のリスク管理を怠ると一発で取り返しのつかないことになりますので、ぜひ最後までお読み下さい。
私は、あなたが30代の会社員だと仮定してこの記事を書かせていただきます。
30代といえば、仕事面では重要なポストを任されるような年齢に差し掛かり、私生活では、結婚や出産といったおめでたい話題も尽きないことでしょう。
人生において何かと大きな転機が訪れるのも30代だと言われていますが、多くの人にとって遭遇する出来事が初めて経験することばかりで、様々なことを手探り状態の中でスタートするはずです。
投資に関しても同じだと思います。
色々な人のアドバイスを聞かれるかと思いますが、最終的に決断するのは自分自身であり、リスクを背負うのも自分自身なのです。
あなたは新築ワンルームマンション投資の提案を受けたことがありますか?
あなたは新築ワンルームマンション投資(不動産投資)の提案を受けたことがありますか。
既に社会に出て10年以上経過していれば、不動産関連の企業に勤務していなくても、一度や二度はこの不動産投資の勧誘を受けたことはあると思います。
不動産投資は”投資の王様”と言われるくらいメジャーな投資手法で、細かな理屈は知らなくてもその名前くらいは知っているでしょう。それと同時に、不動産投資は一部の資産家にしか出来ないような”高嶺の花”のようなイメージがあるため、まさか自分にそのような条件や資格が整っているなんて思いもしないはずです。
30代と言えば、結婚や子供出産などをきっかけにして、これまで以上にお金に関して真剣に考えるようになる年齢でもあります。
投資や資産運用に関して興味を示さなかった人も、近年の投資ブームやTVCMの影響もあってか、将来に対するお金の不安が急に大きくなります。そして「何か始めないとこのままではマズい。。。」と急に思い始めるようになるのです。
そんなタイミングで新築マンションなど不動産投資の提案を受けたあなたはこう思うはずです。
「不動産投資って儲かりそうだな!」「不動産投資って以外に簡単そうだ!」「不動産投資を始めてみようかな」
ハッキリ言わせてもらいますが、不動産投資はそんなに甘くはありません。
不動産投資と新築ワンルームマンション投資は似て非なるもの
あなたが不動産投資のリスクを回避するために、最初に知っておいていただきたいことは、新築マンション投資は不動産投資の中でもリスクが大きい投資商品です。
あなたが不動産投資をする目的はなんでしょうか。
結婚や出産を機に”お金のこと”を真剣に考えているのであれば、それは”お金を増やすこと”なのではないでしょうか。
不動産投資の始めるにあたり、書籍やネットの記事を読んだり先輩投資家からの情報収集で、新築ワンルームマンションを奨められることは多くないと思います。これらはどのように違うのかを簡単に解説します。
不動産投資は"借り手のいる物件"を探し購入すること
不動産投資の最大のリスクが『空室』だとすれば、既に借り手(入居者)がいる不動産を購入すればよいのです。これを不動産投資の世界では『オーナーチェンジ』と言います。一般社会で言うところの事業譲渡をイメージしてもらえればよいかと思います。
そうすることで、物件を購入した時点から家賃収入が確定しますので無駄のない運用が可能になります。不動産投資を始めて行う投資家は、このオーナーチェンジ物件を狙って吟味することをおすすめします。
新築マンション投資は”借り手”を見つけなければなりません
新築マンション投資では、最初にやらなければならないことがあります。
それは、入居者をいち早く見つけることです。新築の部屋なので、借り手がいない状態、つまり家賃収入がない状態からスタートすることになります。
販売会社が賃貸募集を行ってくれればいいのですが、販売会社はあくまで販売することが目的です。そこまでの面倒は見てくれないでしょう。
空室のリスクに関する記事は『【空室リスク】マンション投資最大のリスクにあなたはどう対処しますか?』 でも解説しています。併せてご確認下さい。
ただし、サブリース契約の提案を持ちかけられる場合もあります。これは、不動産購入時の条件でサブリース契約(家賃保証)を締結することで、空室リスクを回避する方法です。この仕組みを活用する場合、借り手がいない状態でも収入は保証される代わりに家賃相場の10%~20%をサブリース会社に払う事になります。
サブリース契約は、投資家の収益に影響を及ぼします。それでも利益が出ていれば構わないという投資家もいますが、ほとんどは契約条件の変更が付帯しているため、一方的に契約を打ち切られたり、条件変更をされたりする恐れがあるので注意が必要です。
銀行からの評価について
多くの方は、銀行から借りる不動産投資ローンを活用すると思います。実際にお金を貸してくれる金融機関によって評価方法は様々ですが、新築マンションの場合は、購入する不動産の資産性(担保評価)に注目します。仮に、不動産投資が上手くいかなくても新築の場合は担保評価が高いので、債権回収が容易であろうという考え方です。
ですが、新築の場合は購入価格に会社の利益が大きく上乗せされているので、一度契約した時点でその評価は一気に下がることに注意が必要です。
一方で、中古不動産の場合は、その不動産が持つ収益性に着目して融資を決定するケースもあります。
先ほどの販売会社の利益についても先代のオーナーが綺麗に償却してくれていますので、より実勢価格に近い金額で販売されています。つまり、資産価値がより購入価格に近いということになります。
不動産投資をする際に、新築物件、中古物件どちらに投資すれば成功しそうか?
一目瞭然ですね。
入居者の賃貸ニーズを考えるポイントは3つ
不動産投資の経験がない人が陥りがちなことですが、『新築物件の方が綺麗だし設備も最新だから』という理由で入居者が集まりやすいと考える人がいます。確かに、借り手からしたら汚い物件よりも綺麗な物件に入居したいという気持ちはあります。
ですが、若者が入居するようなワンルームマンションに関しては、家賃の手頃さを優先する傾向にあることも覚えておきましょう。
入居者が賃貸物件の条件を絞り込むうえで考えるポイントは以下の3つだと言われています。
- 家賃設定
- 立地
- 部屋の間取り
あなたが、賃貸物件を選ぶ時に決めるポイントはなんでしょうか。恐らくこの3つ、特に家賃に関しては、毎月払っていくものですので、妥協できないものになるはずです。
従って、価格面で手頃な設定になる中古物件の方が市場のニーズは高く入居者は決まりやすい傾向にあります。
不動産投資のリスクをどう回避するべきか?
ここまでの説明で不動産投資、とりわけ新築マンション投資のリスクについて、少しはご理解いただけたのではないかと思います。
では、これらのリスクを回避するために私たちはどのような対策をしていけばいいのかを考えてみたいと思います。
賃貸ニーズを徹底的に調べる
これが結論みたいなところもありますが、賃貸ニーズがあるエリアであれば不動産投資は高い確率で成功します。
結局のところ、適正な賃料で入居者が継続的に住んでくれれば、あなたが不動産投資で失敗することはありません。
ですが、投資に絶対はありませんので賃貸ニーズを徹底的に調べることが必要です。ここでは家賃相場と不動産価格を見比べてみて、どれくらいの収益性があるかを確認しながら、投資の意思決定をしていく必要があります。
例えば、ターミナル駅から徒歩10分以内の物件であれば、賃貸ニーズは高い反面、取得金額も大きくなるたるため結果的には利回りも下がります。一方、郊外の物件の場合、賃貸ニーズは下がりますが、取得価格も下がるため、利回りは高くなる傾向にあるでしょう。
ここで、あなたの戦略が必要になるのです。安く購入出来て賃貸ニーズが高い物件、もしくは満室稼働の物件を探さなければなりません。
誰もが安く仕入れ、満室経営を目指したいのです。
学習と情報収集を怠らない
不動産投資に関する学習と情報収集を怠らないことが大切になります。
『情報はサイバースペースにおける通過である』とよく言いますが、不動産投資の世界でもその考え方は一緒です。
あらゆる方面から情報収集を行ない、不動産投資に関する知識と理解度を高めていって下さい。私が見た限りの話ではありますが、一般的に成功している不動産投資家は共通して、情報収集に余念がありません。
私が推奨するのは、実際に不動産投資をしている先輩投資家からのアドバイスを受けることです。知人や友人であれば親身になって聞いてくれると思います。そのような知人や友人が身の回りにいないのであれば、SNSやブログを通じてアポイントをお願いしてみてはどうでしょうか。
多少の謝礼を払う意思を伝えれば、多くの方は承諾してくれます。実際に”生の声”を聞くことは、謝礼を払うくらいの価値は十分にあります。
ぜひあなたも、”情報収集の鬼”になって下さい。それからでも不動産投資を始めるのは遅くはありません。
不動産投資をやらないという選択
リスクを回避するための方法として、最も手堅い決断は『不動産投資をやらない』という選択です。
この決断は一見、消極的な決断に見られがちですが、根拠を持った決断であれば積極的な決断として評価するべきです。
『30代のあなたの投資の目的』を改めて思い返してみて下さい。それは、お金を増やすことでしたよね?
今現在受けている提案に対して不安や疑問が残るのであれば、そこに投資する必要はありません。その理由が、あなたの知識不足、情報不足であれば尚更です。知識量や情報量を増やして、根拠と自信を持って投資するようにしましょう。
金融機関の借り入れを使うような”ウン千万”もする投資を、勘や本能で行ってはいけません。きちんと利益を残す最善の方法を考えていきましょう。
お金を増やす投資なら他にいくらでもあります。
リスクの少ない不動産投資を徹底する
あなたが不動産投資をする理由をぜひ聞かせて下さい。
もし、あなたが実際に不動産を所有して賃貸経営をしたい不動産オーナータイプなら、既に借り手がいる中古不動産を狙うようにしましょう。繰り返しになりますが、借り手がいれば、家賃収入が途絶えることはありません。
そうではなく、将来に向けた準備や不安解消のために、投資や資産運用の商品として不動産を選んでいるなら、別の選択肢があることをお伝えしなければなりません。
あなたは不動産特定共同事業、もしくは不動産クラウドファンディングという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
これらは、事業者が運営する不動産投資事業に対して少額から出資できる投資商品になります。事業者が厳選した”不動産投資”に対して、少額の自己資金を投資して配当を受け取る仕組みです。
一般投資家は優先出資者のカテゴリーに分けられて出資しますが、事業者も劣後出資者として各ファンドに出資しますので、収益性のない不動産は組成されません。
事業者は彼らが厳選した不動産を購入するための資金を多くの投資家から少しずつ集め、そこから出た収益を公平に分配するという双方でリスクとリターンを共有する直接金融モデルです。
不動産特定共同事業、不動産クラウドファンディングに関して、さらに詳しく知りたい方は、不動産クラウドファンディングのトモタクのサービスサイトをご覧下さい。
不動産投資のリスクを回避するための商品を異なる枠組みからも提案していければと考えています。