【今、最も旬な投資手法】不動産クラウドファンディングとは? | 新しいカタチの不動産投資を徹底解剖

不動産クラウドファンディング。このなんとなく斬新なキーワードは、インターネット広告の世界だけにとどまらず、様々なビジネス誌やテレビCM、マネー関係の情報誌などで特集が組まれるほど注目を集めています。

不動産クラウドファンディングとは、そもそもどういった”もの”なのか?

分かりそうで分からない、そんな不動産クラウドファンディングを分かりやすく解説していきます。

徹底解剖-不動産クラウドファンディング』この記事を読み終えた頃には、あなたも不動産クラウドファンディングしたくなっちゃうかもしれません。

Contents

不動産クラウドファンディングの特徴とは

不動産クラウドファンディングの特徴について一棟の収益不動産を例に解説していきます。

インターネットを介して、集めた投資資金によって事業者は上の写真のような収益不動産を購入します。

事業者は投資家に対して、不動産を一口10万円のような形で小口化してファンド組成します。この不動産には既に入居者もいますので、毎月決まった家賃が入ってきます。そこで、運用利回りなどを考慮しつう投資家には年利5%の配当として分配されるのです。

他にも、その収益不動産への新たな投資家が見つかったのであれば、売却することも可能です。そこで生じた売却益を投資家に分配するような仕組みもあります。

このように、収益不動産を保有している間に得られる収益によって、配当が分配されるインカムゲインと収益不動産を売却した際に得られるキャピタルゲインのいずれか、もしくはその両方によって不動産クラウドファンディングは成立します。

不動産クラウドファンディングについて簡単に要約すると、インターネットを介して複数の投資家から集めた資金によって、事業者は不動産を購入して運用する。そして、そこで得た利益の一部を投資家の出資割合に応じて分配する。ということになります。

この仕組みは、投資家、事業者双方にとって多くのメリットがあるため成立します。その辺りを次項で解説していきます。

投資家にとっての不動産クラウドファンディングのメリット

投資家にとっての不動産クラウドファンディングのメリットとは?

当然、メリットがないとここまで多くの人が不動産クラウドファンディングに出資はしませんし、ここまで注目されることはありません。投資家にとっての不動産クラウドファンディングのメリットは、以下のようなものになります。

少額から不動産投資ができる

少額からの出資』によって不動産投資が可能な点は大きな特徴です。

具体的には10,000円~(一口~)出資可能、というような事業者が数多く見受けられます。他にも、100,000~(一口~)といった事業者もあり、少額から不動産投資を始められるという点が大きな特徴になります。

少額から投資ができることで、相対的に預貯金が少ない、若者世代の投資家にとっても「出資がしやすい」という点において大きなメリットになると考えられます。

また、一般的な不動産投資と比較した場合、自己資金で不動産投資を始められるという意味で、金融機関からの借り入れリスクを回避することができます。

不動産投資という投資カテゴリーに対して無理なく健全に進めることができる点は、投資家にとって投資意欲が湧くきっかけになるのではないかと私は考えています。

スマホ一台(インターネット)で全て完結できる

次に『スマホ一台(インターネット)で完結できる』という点も、不動産クラウドファンディングのメリットです。

2021年1月現在のスマートフォン普及率は驚愕の92.8%です。これは、モバイル端末保持者の内、スマートフォンの保有者が92.8%であることを意味しています。年代別で見ても高齢者の影響を加味すれば、資産運用をしている投資家やこれから投資を始めるような世代は、ほぼ100%と断言しても問題ないでしょう。

それだけ便利なツールであるスマートフォーンです。不動産クラウドファンディングでは、申込みから出資、各種手続き、信書などの通信に至るまで、スマートフォンで完結できます。

この点は投資家にとって、その利便性を圧倒的に高めるものになり、その一切を電子化することが可能な不動産クラウドファンディングは、投資をする上で大きなメリットになります。

これまでのように、電話や書面でのやりとりに右往左往することもなければ、近くの郵便局や銀行などに出向いて申込みをするよううな必要もありません。

言い換えれば、不動産クラウドファンディングは投資活動そのものをより身近なものにしてくれるのです。

分散投資が可能

不動産クラウドファンディングは分散投資の観点からも注目されています。

金融庁が推奨する『投資の基本的な考え方』として『長期・積立・分散』の理論が推奨されているわけですが、これは、「長期的に投資商品を買い増し地域や投資対象を分散させる」という理論に基づき、アセットミックスを最適化することを意味しています。

不動産クラウドファンディングに出資することは、投資家本人が意識せずともアセットミックスを最適化していることにつながります。不動産投資というセグメント内でも分散投資をすることは可能ですし、様々な金融商品という大局で考えた場合においても分散投資が実現可能なのです。

1万円や10万円といった投資の世界で”少額”と呼ばれる金額から投資可能な不動産クラウドファンディングは、分散投資が可能であり、投資による様々なリスクを上手く緩和してくることになるのです。

この点も不動産クラウドファンディングのメリットの一つでしょう。

事業者にとっての不動産クラウドファンディングのメリット

事業者にとっての不動産クラウドファンディングのメリットとは?

不動産クラウドファンディングによって、その恩恵を受けるのは投資家だけではありません。

もちろん事業者にとってのメリットも非常に多いです。

ここでは、不動産クラウドファンディングの事業者のメリットについてご紹介していきます。

不動産購入を目的とした資金調達が可能

事業者が不動産クラウドファンディングをする目的は外でもありません。『資金調達』この点に尽きます。

そもそも、クラウドファンディングを立ち上げる目的は、不特定多数の群集から資金を調達することを目的としていて、優れた事業やサービスに対して、出資したい人をインターネットを通じて募るものになります。

少し余談になりますが、クラウドファンディングの歴史はインターネットの歴史と重なります。インターネットが普及してから、私たちは『金融の本質』に立ち戻ることが可能になりました。これまでは資金調達を銀行などを始めとする金融機関や一部の特定の投資家を通じて行っていたのですが、その原資は主に私たちが預けたお金になります。

しかしながら、インターネットの普及により情報の民主化が一層進み、投資家の選択肢が大きく広がった格好となります。

これまでは、私たちのお金の運用は主に金融機関や一部の投資先に一任するケースが多くとても閉鎖的でした。ですが、今となっては、情報の精度も高まり、かつ、多種多様で専門性の高い情報に対してアクセス可能になったため、一般的な投資家の選択肢が広っているのです。

良質な投資情報をインターネットを通じて、広く自由に提供できる』ということは、今までは容易いことではなかった分、不動産クラウドファンディングという仕組みは、事業者にとって大きな可能性を秘めているものになるのです。

一般的な資金調達以外にも、築古のアパートや再建築不可などの金融機関からの融資が下りない不動産に対しての資金調達もできます。これらの物件に関しては、総じて「高利回り」の運用が出来る可能性が高く、投資商品としては魅力的な面も多くあります。

しかし、個人投資家がうかつに手を出すと失敗する可能性のある物件でもあります。

そういった際に、不動産クラウドファンディングを通じて、これらの不動産になかなか手が出せない一般投資家から資金を調達して物件の購入資金に充てる。といった手法が非常に有効的なのだと考えています。利回りの高い=リスクの高い物件の運用をプロに任すことで、リスクを下げつつも高配当が狙えるようなファンド組成ができるかどうかが腕の見せ所なのです。

投資家の裾野が広がる

不動産クラウドファンディングは投資家の裾野が確実に広がります。

その理由は以下のようになります。一般的な不動産投資の場合は、1つの不動産に対して1人の投資家と契約します。もし、事業者が年間で30件の契約を締結出来たとしたら、考え方としては30人の投資家を預かることになります。もちろん、これはこれで素晴らしいことですが、投資家の数で判断した場合は不動産クラウドファンディングの足元にも及びません。不動産クラウドファンディングの場合、最大で[最低出資金額/出資総額]の投資家から資金を集めることができるからです。

先ほど、”金融庁が推奨する『投資の基本的な考え方』として『長期・積立・分散』の理論が推奨されている”ということを記載させていただきましたが、不動産クラウドファンディングを通じて出資した人の新たな投資の選択肢として『不動産投資』は十分に考えられます。

販売する商品の選択肢として、不動産クラウドファンディング以外にも不動産投資を提供できる事業者にとっては、不動産クラウドファンディングの顧客は非常に大きな顧客資産になります。

そして『若者世代の囲い込みは各社にとって重要な課題である』と私は考えています。その理由としては、金融資産を多く持つ高齢者世代も重要ですが、それ以下の老後準備世代、そして、投資経験の浅い若者世代を上手に囲い込み定着化させることで、LTV(ライフタイムバリュー)を高めることができるからです。

このメリットは中長期的な視点で考えた場合に、とても大きなメリットとなるはずです。

サービスをシステム化できる(生産性の向上)

事業者の生産性の向上、バックヤード業務の効率化についても少し話をしておきましょう。

不動産クラウドファンディングの場合、その大半の業務を自動化できるということをこれまでお伝えしてきました。

事業者にとっての業務効率が改善されるということは、生産性の高い業務にリソースを割くことが可能になるということです。その時間を、商品の源になる不動産の仕入れ業務や入居者に対するサービスの向上などに活用したり、マーケティング業務などに費やすこともできます。

システム化自体はツールのようなものですが、人間が本来集中するべき業務に特化できるという意味では大きなメリットがあると言えるでしょう。

投資家にとってのクラウドファンディングのデメリットとは?

投資家にとっての不動産クラウドファンディングのデメリットとは?

投資家にとっての不動産クラウドファンディングのデメリットについて少し考えてみたいと思います。

人気が高い故になかなか出資できない

不動産クラウドファンディングは事業者数が少ない点とその話題性が相まって、非常に人気が高い投資商品です。事業者によっては募集開始後わずか数分で完売してしまうようなケースもあり、購入を迷っていると乗り遅れてしまうこともあります。

インターネットで申込みから出資まで完結できるため、スピードが重要になってきます。

事業者によっては預託金制度を導入しているケースもありますので、事前にお金を預けておくのもいいでしょう。

そんな中、一方でこのような考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産特定共同事業(リアルな側面も残す)という選択肢

人気があるのはわかるが、話題性や流行りで判断するのではなく、じっくり商品やサービスを見極めて投資判断をしたい

ごもっともな意見です。

そういった方には、『インターネットの良さ』と『コミュニケーションの良さ』を掛け合わせた、不動産特定共同事業(クラウドファンディングは行っていないサービス)を選択することをおすすめします。

こちらは、サービスの全てをシステム化している訳ではありませんので、最低出資可能金額が10万円~(一口)だったり、100万円~(一口)の商品が中心になりますが、組成されたファンドの質は不動産クラウドファンディングと比較しても、遜色ありません。

むしろ、出資者を集めるために、不動産事業者が出資者を募集するために、試行錯誤して商品(不動産)を選定しているケースがほとんどですので、不動産クラウドファンディングの商品よりも優れている場合もあります。

人それぞれ考え方も異なりますが、このような時代だからこそ、コミュニケーションを重視するような選択もありだと思いますし、「大切な自己資金を預けるからこそ、しっかりとコミュニケーションを取りたい」という考え方を私は一切否定しません。

資産背景によってはメリットを感じない?

不動産クラウドファンディングは投資家にとって見れば、少額から不動産投資を始めることができる不動産投資商品ということになりますが、自己資金が潤沢にあるような資産家にとってはその恩恵をあまり感じられないかもしれません。いわば、”ついで買い”のような感覚に位置付けられているように思えます。

金融商品は、その人の資金背景によってメリットを感じたり、感じなかったりするものです。

よく例えとして言われるのが「生命保険」です。生命保険とは、その人が死亡した場合、または3大疾病(7大疾病)にかかった際に、その保証としてお金を受けとる仕組みです。つまり、稼ぎ頭である本人が働けなくなることで収入が途絶えてしまい、その家族や本人の生活を守るために必要だと考えられています。

これは、多くの人にとっては非常に重要な要素であり、生命保険をメリットのあるものだと感じることでしょう。しかし、将来に渡り生活していくだけの十分な資金がある人にとっては、生命保険のメリットはあまり感じられないはずです。

つまり、一人ひとりの資産背景によっては、不動産クラウドファンディングに対して、然程メリットを感じない場合もあるのではないかと感じています。

そのような属性の方の場合、プライベートファンドやヘッジファンド、未公開株、新規上場株など、極めてクローズドな情報の中でお金を運用しています。

まあ、なかなか非現実的な話になってしまいましたが、このような超富裕層の方々もいるということです。。。

事業者にとってのクラウドファンディングのデメリットとは

事業者にとっての不動産クラウドファンディングのデメリットとは?

最後に事業者にとっての不動産クラウドファンディングのデメリットについてです。

この点については、考え方によってはデメリットではありませんが、私の所見を少しだけ’ご紹介します。

出資者の年齢層や属性について

まず、出資者の年齢層や属性についてです。

不動産クラウドファンディングはサービスの特性上、幅広い世代の方が対象となっています。言い換えると『インターネットを通じて出資申込みができる20歳以上の投資家』ということになります。

これは一般論ですが、金融資産が多い高齢者とITリテラシーの高さというのは反比例する傾向にあります。

つまり、システム化されているとはいえ、効率よく出資者を募集するという意味においては、相対的に可処分所得が少ない若年層を募集するのは不向きであるという考え方もできます。

そのため、”一人の出資者を集めるためのコストは同じである”という考え方に基づいた場合には、その分マーケティングコストはかかるということになります。

システム化による、バックオフィスのコストと天秤にかけたりしながらの判断になると思いますので、一概に決めつけるつもりはありませんが、このような判断基準があることは確かです。

コミュニケーションの希薄化

システム化によって、人が対応するプロセスは大幅に削減されます。繰り返しで恐縮ですが、これは業務が効率化されるというメリットがある反面、投資家とのコミュニケーションが希薄になる可能性があるのです。

この点においては、各事業者それぞれが注意しているところだと認識していますが、システム化によって省かれる様々なプロセスを埋めるためにも情報提供によって、それを網羅し補う必要があるのです。

不動産クラウドファンディングの利回りについて

不動産クラウドファンディングの利回りについて

次に、不動産クラウドファンディングの『利回り』についてです。この利回りについては、各社サービスによって特徴が出ているように思えます。

都心の一等地の不動産を中心にファンド組成しているような事業者は、2%台~3.5%程度の比較的低い利回りの商品が目立ちますし、地方の不動産を中心に扱っている郊外型のファンドに関しては、4%~6%の高利回りの商品が目立つ傾向にあります。

また、プロジェクト型や開発型のファンドに関しては、7%を超えるような利回りの商品も見られます。

利回りに関しては、不動産の仕入れ価格やコスト削減といった企業努力が反映されている場合もありますが、基本的には不動産投資の利回りを参考にしつつ、それを少し下回るような商品組成になっていると思います。

当たり前ですが、

  • 事業者の利益が含まれている点
  • 事業として赤字であれば配当が出せない

この辺りを考慮して商品は組成されています。

利回りが低い=商品として魅力がないという考えは間違い

利回りが高い投資商品に”手を出したくなる”のが投資家の性です。ですので、私たちは「利回りが低い商品は投資商品として魅力がない」と一瞬でも思ってしまいます。

しかし、不動産投資の世界では利回りの算出方法にはきちんとした根拠があって、それを分析することで商品として魅力がないという考え方は間違いだと気が付くのです。

リスクとリターンはトレードオフの関係にあるのは有名な話です。利回りが低い(例として2%~3%のような利回り)商品は、総じてリスクが低く手堅い投資ができます。

特に、日本人は貯金志向が強く、投資によって元金が毀損されてしまうことを極端に嫌がる国民性です。ですので、利回りが低い商品に対しても積極的に目を向けて検討するようなことは多々あります。

ですので、投資に対する積極性や資産状況など、その時々の状況に応じた判断と商品選択をすればよいのです。

高利回りと低利回りの不動産小口化商品をバランスよく組成する事業者

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業者のサイトを確認していると、その業者の意図が透けて見えます。

扱う物件やファンド組成のポリシーによって、平均的な利回りに違いはありますが多くの事業者は、互い違いに利回りを変化させているのです。これは、投資家に対するリスク分散をしっかり考えている証拠ではないでしょうか。

その不動産クラウドファンディング事業者にとっての、優良な顧客の定義の一つに『繰り返し出資する』という要素があります。

アセットミックスの観点では、個別資産の構成は”不動産投資”に限定されてしまうものの、繰り返し出資していただける出資者の資産を最大限ヘッジするための姿勢が強く感じられてなりません。

不動産クラウドファンディングと税金の関係を知っておこう

不動産クラウドファンディングと税金の関係を知っておこう

最後に、税金について少し触れておきます。

不動産クラウドファンディングに出資した場合、年に数回程度の配当を受け取るのが一般的です。(一部キャピタル型で売却時の利益を分配するようなファンドもあります)

配当を受け取る際に、私たちは源泉所得税が引かれた状態で受け取ることになります。上場株式を除いた、投資による配当などに係る源泉所得税については、20.42%と法律で決められています。(上場株式の配当の場合は、20.315%になる)

ですので、利回り5%の不動産小口化商品に100万円出資した場合、年間で受け取る配当は、源泉所得税10,210円が差し引かれた39,790円ということになるのです。

不動産クラウドファンディングをもっと身近なものに

最後まで、お読みいただきありがとうございます。

これまで、不動産クラウドファンディングの特徴、投資家、事業者のメリット、デメリット、そしてその利回りや事業者毎の特徴について、さらに税金との関係性について、お伝えしてきました。

投資家サイドのメリットやデメリットについては、よく目にする内容だったと思いますが、事業者のメリットやデメリットに関しては、一般の投資家の皆さまはあまり目にしない内容も多かったのではないでしょうか。

このような内容が刺激的だったのであれば、それは良かったのかなと思っています。

事業者にとってのメリットやデメリットを紹介させていただくことで、不動産クラウドファンディング(不動産特定共同事業)がどのような仕組みで動いているのかの一部始終をご理解いただけたと思います。

実際に投資家の方からよく「事業者のメリットってあるの?」「メリットがなさそうで逆に怪しい・・・」といったご質問やご指摘を受けることがあります。

しかし、事業者のメリットをお読みいただいただくことで、事業者にもきちんとメリットがあるということをお分かりいただけたと思いますし、サービスの仕組みや流れについても一定のご理解をいただけたいのではないかと思っています。

これを機に、多くの方が不動産クラウドファンディング(不動産特定共同事業)に興味・関心を持っていただき、一人でも多くの方が不動産投資に注目していただけたら嬉しい限りです。