不動産クラウドファンディングを通じて不動産に投資すべき理由とは?
不動産クラウドファンディングは誰もが気軽に不動産投資をするためのシステムです。不動産投資、不動産ファンドには様々なスキームが存在しますが、プロ投資家ではなく一般的な会社員や主婦、定年退職を迎えるような年金受給者に至るまで大多数の一般投資家が参加できるシステムこそ、不動産への投資を活発なものにします。
ニッチからマスに広がりを見せる不動産クラウドファンディングは、もっと注目されてしかるべきものだと感じています。
Contents
多くの投資家が抱く直接不動産投資に対してのイメージについて
直接不動産投資のイメージについて、私たちはどう考えているのでしょうか。まずはおさらいしてみましょう。
直接不動産投資の場合、投資プロセスを3つに分割することが可能で、それぞれに課題やハードルが存在します。
1つ目は『購入』のプロセスです。
購入時に、投資家は自己資金に加え、金融機関の借り入れを利用して不動産を購入することになります。つまり、BSの右側には、負債(借入)と純資産(自己資金)がならび、左側の資産が購入した不動産ということになります。
2つ目は『運用』のプロセスです。
ここでは、入居者やテナントから得る家賃収入をベースにした収益を得ることができます。この収益から、金融機関からの借り入れの元金と利息を払いますので固定負債が減り、その残りが利益余剰金として投資家の純資産に組み込まれまれる形となります。
3つ目は『売却』のプロセスです。
直接不動産投資では借入が残っている段階での売却に関しては、一般的にあり得る話です。流れとしては、買主から不動産購入代金が支払われ、その金額から記入期間に借入元金を返済します。[購入代金-借入元金]>0となれば、投資家の利益として手元に残るのです。
これが直接不動産投資の投資プロセスになります。
直接不動産投資の課題や問題点とは?
直接不動産投資のイメージは大体できました。3つの投資プロセスに分解すると、非常にシンプルに見えて誰でも簡単に利益が出せそうだと思われがちですが、一筋縄ではいきません。
ここで注意しなければならない点があります。一般的に馴染みがある、株式投資や債券購入、不動産クラウドファンディングなど比較した場合に問題点が浮き彫りになります。
それは『多額の自己資金が必要である』ということ『不動産投資の知識やノウハウが必要になる』ということです。
不動産投資をする場合、自己資金”ゼロ”でスタートするというのは現実的ではありません。
一昔前は、自己資金ゼロで始められるようなスキームも流行したようですが、これは非常にリスクが高すぎます。
言い換えるなら、自己資金ゼロで会社を設立して、スタート段階で債務超過を起こしていることと同じことです。会社経営をしている方であれば、感覚的に分かると思いますが、小さく始めるとしても数百万の自己資金は必要になります。
直接不動産投資も同様に賃貸経営です。借入をするにしても一定の自己資金を用意することが求められます。
さらに、ノウハウやそれに関する知識も十分求められます。
「不動産を購入して、入居者を付けて、後は寝ているだけで不労所得が入ってくる」不動産投資に関して、このようなイメージを抱いている方は多いようですが、そんな甘い話ではありません。
このような事が事実なら、世の中、億万長者だらけです。
直接不動産投資は、投資ではなく事業です。金融機関も事業性があるかないかで融資判断するところも多く、ノウハウや知識、経験は大いに求められます。
具体的には、「どのような不動産を購入するべきか」「どのような人に貸せばいいのか」「いつ売ればいいのか」「誰に管理や仲介を依頼すればいいのか」このように様々な場面で判断が求められるのです。
その場面、場面で、適格な判断が必要になり、とても素人が軽い気持ちで始めていいものではありません。
不動産事業に対して投資をする投資スキームはどうか?
これまで、実物不動産投資はなかなか”敷居が高いもの”だということがお分かりいただけたと思います。
それでも、不動産に投資をしたい、不動産関連先に投資をしたい、という方は後を絶ちません。それくらい不動産投資には『多くの投資家を魅了する何か』があるのだと思います。
直接不動産投資をするノウハウや知識はない、多額の自己資金はない、金融機関の借り入れは避けたい、このような方には一つの提案として、不動産系企業の株式を市場で購入するという選択肢があります。
不動産会社の株を購入することで、その会社の事業に投資していることになります。
会社の業績が向上すれば株価が高騰し、その評価額によって投資家の資産価値は向上する傾向にありますが、決して単純なものではありません。
株式投資の場合、その価値は企業の様々な事業を総合して判断されるため、不動産投資に限定されるわけではありません。よって、不動産投資に関わりたいという理由で、その企業の株を購入するというのは、安直な考え方であると言わざるを得ず、別の選択肢を視野に入れる必要があるのではないでしょうか。
配当面に関しても、その時々の会社の意向なども反映されますので、仮に利益が出たからといって、配当に還元されるとも限りません。例えば、その利益を内部留保に回したり、設備投資に充てることだって考えられるからです。
不動産クラウドファンディングという選択肢はどうか
直接不動産投資、不動産関連企業への投資など、”不動産に関する”投資手法は様々です。
ただ、どれを取っても、我々一般投資家にとっては、超えるべきハードルがたくさん存在したり、目的にそぐわない結果につながる可能性すらあります。
そこで、不動産ファンドを通じて間接的に不動産投資に参加する手法を紹介したいと思います。
それが『不動産クラウドファンディング』です。
不動産クラウドファンディングとは、不動産を持ち分所有させる『任意組合型』と不動産を所有することなく、不動産特定共同事業に対して出資をおこなう『匿名組合型』のファンドに分かれます。
『任意組合型』の場合は、実際に不動産を所有しますので、相続税対策などに活用されるケースが目立ちます。不特定多数の投資家から資金を募り、運用するため投資先の不動産は手堅いものが多く、都心の不動産のような利回りが低い商品が多いです。
最低投資金額も数百万円からスタートするケースがほとんどで、「これから投資をはじめよう」と考えている方や投資初心者には少しハードルが高い投資先になるかもしれませんし、出資額が高額になるため、不動産クラウドファンディングにはやや不向きなスキームと考える専門家も多いです。
一方で『匿名組合型』の不動産クラウドファンディングはどうでしょうか。
『匿名組合型』の場合は、不動産投資事業に対して出資する、いわば間接不動産投資になります。『匿名組合型』は不動産クラウドファンディングとの相性も抜群によく、少額(1万円~)始められるというキャッチーな要素もあり、一躍人気の投資商品になりました。
不動産クラウドファンディングに投資するべき理由
不動産クラウドファンディングは投資家を選びません。知識やノウハウ、資金力に関係なく、その投資割合に応じて平等に配当を受けることができます。
投資を始めるときも、手続きの一切をインターネットで完結できる点も人気な理由です。
これから不動産投資を始めたい方、投資未経験者、投資初心者、ポートフォリオの一つに追加したいと考えている方など、初心者からベテランまでありとあらゆる投資家を対象にしたベーシックな投資商品だと私は考えています。
最近では、J-REITと比較されることも多いようで、不動産クラウドファンディングは、市場に公開されていない分、相場も安定していてより”資産運用の毛色”が強いという点で人気があります。
実物不動産を組成した投資商品ですので想定される利回りによって、選ばれることが多いようですが、概ね6%を超える商品には投資家が集まりやすい傾向があるようです。
不動産クラウドファンディング未経験の方は、事業者に資料請求をしてみて、投資先の一つに加えてみてもいいかもしれませんね。