クラウドファンディングに対応していない不動産小口化商品の特徴とその申込み手順について解説します

不動産クラウドファンディングと言えば、オンラインで申込みから投資資金の振込まで完結できる不動産小口化商品として知る人ぞ知る資産運用の商品です。

一方で、インターネット非対応型(インターネットで全てが完結できない)の不動産小口化商品があるのをご存知でしょうか。

私たちはこれを『面前型取引』と呼んでいるのですが、面前型の不動産小口化商品の特徴とその手順について今回は解説していきましょう。

クラウドファンディング非対応の不動産小口化商品とは?

そもそも、クラウドファンディング非対応の不動産小口化商品とはどういったものになるのでしょう。

不動産小口化商品のことをインターネットで申込みから投資資金の振込(出資と同義)まで完結できるサービスだと認識している方も多いのではないでしょうか。事実、不動産特定共同事業のクラウドファンディングと面前取引についての違いが分からない方も多いようです。

不動産クラウドファンディングに対応していない不動産特定共同事業者は数多く存在します。実際のサービス件数について見ても、不動産クラウドファンディングよりも多いのが実情です。

この面前取引の場合、基本的には、物件概要、重説、約款の確認などを投資家の面前で行います。

契約のやり取りについては、投資家の面前で行うことが原理原則ですが、不動産小口化商品の実際の現場では、電話や資料請求、そしてメールでのやり取りなどで説明を受け、郵送でのやり取りで契約を締結します。

クラウドファンディング非対応の不動産小口化商品の特徴について

面前型取引商品の特徴としては、投資家が出資できる最低金額がクラウドファンディングと比較して高額になるケースが多いです。

これについては、商品設計上の問題ではなく、バックヤード業務の負担の問題による点が大きいと考えています。

例えば、募集金額5,000万円のファンドを組成して募集をした場合、一口100万円の取引と一口1万円の取引では、バックヤード業務に関する負担が大きく異なります。

このように面前取引においては最低出資金額を高め、事業者バックヤード業務の負担を軽減するのです。

最低出資金額を大きくすることは、事業者の業務的な負担を軽減するだけではありません。

最低出資金額を大きくすればするほど、出資できる投資家は限定されます。これにより自動的に投資家を選別することができます。一概には言えませんが、高額の資金を投資できる出資者は、属性の高い出資者である可能性が高いので効率的なファンド運営が可能になります。

面前取引で不動産小口化商品を購入する場合の手順

面前取引で、不動産小口化商品に出資するまでの手順について紹介します。

今回は当社の不動産特定共同事業であるトモタクの場合をモデルケースとしてご紹介します。

  1. 資料請求をする
  2. ご質問などがあれば、この時点で確認してください。
  3. 身分証、マイナンバーカードなどのコピーをご用意
  4. 出資申込書を記入して郵送する(返信用封筒が同封してありますので、そちらをご利用ください)
  5. 出資金明細書を確認し、出資金を振込
  6. 運用開始日以降は運用を開始
  7. 配当を受け取り
  8. 運用期間終了後、再組成または元本償還

書面でのやり取りにより、確認と郵送期間分のタイムラグが発生しますが、それ以外はそこまで手間がかかる作業はありません。

多くの事業者は、返送用封筒を同封するなど出資者の負担を最小限に抑える取り組みがされています。クラウドファンディングであれば、インターネットで完結できるクラウドファンディングと競うように、規制の範囲内でできる限りのことをしています。

良質な商品を丁寧に販売する面前型の不動産小口商品

不動産クラウドファンディングは、全てにおいて自動化できるという意味では非常に魅力的です。

私自身も、インターネットには手間や工数が省けるという魅力があると考えていますが、1分・1秒を争うような取引でない場合には、全てがインターネットで完結しなくてもいいのかなとも考えています。

スピード感を持って契約をしなければ相場が変動してしまうような株取引ではありません。

比較的、安定した取引を行うことができて、定期的な配当も見込めるような商品であれば、そこまで急ぐ必要はないでしょう。

人気商品になれば、オンライン完結で先着順で処理するようなプログラムなども必要になってきますが、もし、そのような状況でなければ丁寧な販売も可能な、面前型の不動産小口化商品にも十分魅力があるものだと考えています。