排水設備のメンテナンス範囲は公共枡を堺に区別して考える

PR:イーダブルジーの不動産特定共同事業「トモタク」

保有している賃貸住宅等などの排水設備について構造をご存知でしょうか?

この構造を知ることで、メンテナンスの範囲に関するモヤモヤがなくなります。

実際の工事やメンテナンスは水道工事会社などに依頼するとは思いますが、構造を正確に理解することで、災害などを想定したリスクマネジメントも可能になりますので知っていて損はありません。

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公共設備との境界を把握して正確なメンテナンスを実施する

構造を知るにあたり、先ずは「設備」と「公共下水道」の違いについて知っておく必要があります。

下の図をご確認下さい。

排水設備の構造と境界について

地中の構造を確認すると、一概に私有地と公道で区切ることができないことが分かります。

私有地と公道、排水設備と公共下水道。これらの境目を正しく理解することで所有する物件のメンテナンスに非常に役立ちます。

私有地と公道の境界で考えるメンテナンス範囲

最初に、地上に目を向けてみましょう。

民地境界線を堺に、「私有地」と「公道」に区別することができます。

建物から出る生活排水(浴室、台所、トイレ等)は、汚水枡を通じて下水道に流れていきます。

トラップ枡のメンテナンスについては、以前投稿した記事もご確認下さい。

https://oo-ya.jp/455/
トラップ枡のメンテナンス方法などが書かれています。



雨水の通り道である側溝

雨水に関しては、汚水とは異なる排水設備を通じて、側溝に流れていきます。

側溝とは、排水のために道路沿いに設置された溝のことです。

メンテナンス時の点検口として、私有地内には枡蓋、公道には側溝、マンホールの蓋があり、これらを開けて設備の点検を行い、詰まりや汚れなどがないかを確認します。

大家サイドで定期的な点検が必要な箇所は、私有地の中の設備になります。ここでは汚水枡の点検や清掃ですね。

もし、側溝やマンホールが詰まり水が溢れでている場合は、行政に連絡をしてしかるべき対応をとってもらいましょう。

排水設備と公共下水道の境界に関する考え方は少し異なる

次に、地中に目を向けてみましょう。

大家の責任でメンテナンスを行なう範囲は少し異なり、一概に私有地と公道で区別することができないので注意が必要です。

ここでキーポイントになるのが、「公共(汚水)枡」の存在です。

公共枡とは、敷地内の建物から出る全ての排水が合流する枡のことを指します。この公共枡を堺に、排水設備と公共下水道が分かれます。

もう少し、公共枡について詳しく説明していきますのでお付き合い下さい。

公共枡の設置について

アパートなどの建物から排出される汚水を公共下水道に流すには、行政で行う本管工事の際に、それぞれの土地に「公共枡」というものを設置しなければなりません。

本管と公共枡の工事が完成したあと、建物において、トイレや台所、浴室などからの排水管を公共枡まで接続する必要があります。

設置場所について

公共汚水ますの設置場所は以下のようになります。

  • 原則としては、道路などの公用地
  • 私有地の所有者等から設置の申請がある場合は、その私有地

設置の位置について(私有地に設置する場合)

私有地に設置する場合、設置位置は次のようになります。

  • 本管を埋設する道路等との境界線から原則として1メートル以内
  • 本管を埋設する道の幅員が4メートル未満の場合は、建築基準法第42条第2項の規定により道路の境界線とみなされた線(いわゆるセットバックの線※)から1メートル以内
    ※一般的には、道の中心から2メートルの線。反対側ががけ地・川・線路敷地などに面している道の場合は、がけ地等との境界線から道側に4メートルの線。

公共枡の設置については細かく挙げるとキリがないので、改めて紹介させていただきます。

このように公共枡を私有地内に設置することは珍しくなく、私有地と公道の関係性から見ると少し歪になります。

公共枡がメンテナンス上の境界線である

地中にある排水設備のメンテナンスについては、見えづらい部分もあり色々と頭を悩ませると思います。

例外もありますが原則的には、公共枡がメンテナンス上の境界線であると思っていただいて問題ありません。

どれが公共枡かわからない方は、一度枡蓋を確認してみて下さい。

建物と下水道に繋がるマンホールの間にあり、一番道路側の枡がそれに該当します。

なお、蓋には「公共枡(ます)」と書かれて分かりやすいものもあります。

公共ますの蓋。このようにはっきり書かれているものもあります。

公共枡の管理、メンテナンスは行政が行ってくれますので、私たちが行う必要はありません。

それより内側の枡や設備のメンテナンスをしっかり行い、入居者が快適に暮らせる環境を保ちましょう。

最後に・・・本記事に記載されている境界やメンテナンスの範囲については一例です。参考にしていただきながらも、より詳細な情報については、賃貸管理会社または水道局もしくは行政等にお問い合わせ下さい。