不動産投資において「新築物件」は難易度が高い
新築不動産投資。
綺麗な外観、最新の設備やセキュリティ、最新の間取りの物件は入居希望者が殺到するため、投資商品としても非常に魅力的に思えてきます。
しかし、新築不動産への投資は想像以上に難易度が高くリスクも大きい投資だということをお伝えしておかなければなりません。
不動産投資という投資商品という側面で確認していきましょう。
不動産投資の”良し悪し”とは
投資には、2つの利益の出し方があります。
一つ目はインカムゲイン、2つ目はキャピタルゲインです。
不動産投資におけるインカムゲインとは、毎月の家賃収入のこと。キャピタルゲインとは、不動産を売却した時に生まれる購入価格との差額のことです。
仮に、キャピタルゲインがマイナスだとしても、売却までの期間で得たインカムゲインがその損失分を上回っていれば、その投資は「利益が出せた」と判断することができます。
理想的な不動産投資は
あなたが求めるような理想的な投資は、賃料による収入で利益を出し、売却して利益を出すことではないでしょうか。
ここで、『金持ち父さん貧乏父さん』著者で有名な、ロバートキヨサキ氏は著書の中でこのような言葉を残しています。
よい投資とは、買ったときに利益が出ている投資である
ロバート・キヨサキ氏の言葉
確かに、これが理想の投資ですね。
不動産の世界では『千三つ(センミツ)』という言葉がありますが、そのような物件に出会うことは中々ありませんし、実際に運用してみないと分からない部分もあります。
ですが、この言葉を一つの指標にして不動産を選んでいくのであれば、絶対に買ってはいけない不動産があるのは、もうお分かりでしょう。
購入した瞬間に価値が下がる物件
繰り返しになりますが、『よい投資とは、買ったときに利益が出ている投資である』という言葉をロバート・キヨサキ氏は残しています。
この言葉を裏返せば、『悪い投資とは、買った瞬間に価値が下がる投資』ということになります。
ご存知の方が多いと思いますが、新築不動産投資には建築会社の利益(建設費)がたっぷり上乗せされています。
もちろん利益自体が悪いことではありませんが、通常でも1-2割は利益として上乗せされているため、新築不動産投資は対象不動産を購入した時点で、その評価が1-2割以上下がるのです。
これは、スタート時点でマイナスから投資を始めることになり、常に含み損を抱えたまま賃貸経営をしていくことになります。
これは精神的にもあまりいい状態ではありません。中にはこのような事実を知らずして、営業担当の言葉を鵜呑みにしているケースも多いようです。
不動産投資を始める際には『良い投資とは何なのか』という原点に立ち返ってみて下さい。
賃料も常に一定ではない
新築物件の場合、賃料に関してもいわゆる『新築プレミアム価格』に設定されています。
初回の入居者が長く続いてくれればいいのですが、大抵の方はその金額に割高感を感じてしまい、どこかのタイイングで退去してしまいます。
2周目では、新築時のような賃料設定では入居付が難しいですので、賃料を低く設定する必要が出てくるでしょう。これを想定して収益シュミレーションをしていれば、いいのですが、中には収益シュミレーションを新築の賃料の状態で出してくる業者もいますので注意が必要です。
賃料が下がるということは、収益性(利回り)も下がるということですので、そのあたりも想定して検討が必要になります。
また、今のように景況感が悪いときには、割高の賃料の物件には『入居者がつきやすい』とは言い切れない部分もありますので、景気動向や世の中の雰囲気も重要な判断基準になってくると思います。
サブリース契約に潜む罠
新築不動産の販売とセットで語られるのが『サブリース』です。
サブリースとは、投資用に購入した投資用不動産を一括借り上げして、投資家に賃料の保証をする行為のことをいいます。
期間は10年・20年・30年と長期的に組まれていることが多く、投資家も空室のリスクが抑えられ賃料も確実に入ってくる訳ですから、まさに『濡れ手で粟』状態です。
賃料の見直しに注意
ただ、ほとんどのサブリース契約には、2-3年ごとに賃料設定の見直しが行われます。実際にサブリース契約の条文にも、この事は盛り込まれています。
このタイミングで、当初の家賃設定よりも低い金額を提示され、収支が回らなくなり紛争に繋がるケースが後を絶ちません。
実際には契約書にきちんと書かれているにも関わらず”オイシイ話”という点に目がくらみ、都合の良い解釈をするケースが非常に多いのです。
賃貸経営とは立派な経営です。経営の根幹になる収入源の確保を完全にアウトソースするような仕組みはその自覚に欠けていると言わざるを得ませんね。
新築不動産投資は難易度が高いので慎重に
新築不動産投資は都心の高層マンションの高層階など一部の例外を除いて、購入した瞬間にその価値が著しく下がります。
投資の種類は異なりますが、株式投資でいう高配当株の扱いにも似ているかもしれません。”モノ”の価値をしっかり見極める目を養い、どのタイミングが買い時なのかを判断しなければ、長い期間含み損を抱えた状態で投資をする羽目になります。
最悪の場合、その損失を解消できないまま損切りなんてことにもなりかねません。
ここで言いたいのは、私は『新築不動産投資』を完全否定しているのではありません。この点については誤解のないように申し伝えておきます。
モノの価値、不動産の価値や相場観をしっかり理解し見極める力を養ってから、そのポジションを取るべきだと考えています。
私たちのブログでも少しずつではありますが、投資や不動産投資をこれから始めようと考えている方に向けて、情報を配信されていただいております。