【いまさら聞けない資産運用】なぜいま、あなたに資産運用が必要なの?
今回のテーマは「資産運用」について。あなた自身のお金の問題に関わる重要なテーマになります。
2001年に政府が打ち出した「貯蓄から投資へ」のスローガンが打ち出されて20年近くが経過しようとしています。長い年月が経過した今、実際に私たちのマインドがどのように変わり、どうして資産形成が重要なのかを改めて振り返っていきましょう。
日本人の資産形成に対するマインドの変化
この20年間、社会は劇的に変化しました。
インターネット・スマートホンの普及、終身雇用の崩壊、少子高齢化社会への突入、コロナウイルスに伴う新しい生活様式など、私たちを取り巻く環境は日を追うごとに大きく変化しています。
平成12年に年金制度の改正があり、そこを皮切りに資産形成・老後の生活に関する自己責任論の風潮が強くなってきました。
このような社会の変化に比例して、私たちのマインドも大きく変化しているものと考えられますが、実際はどうなんでしょうか。
貯蓄から投資への意識は”変わらない”現実・・・
結論から申し上げますと、残念ながら、この20年間で私たちのマインドは一切変化しませんでした。
時系列で見ていきましょう。
2000年の個人金融資産の総額は1,409兆円でした。この内訳について確認していくと、
- 現金預金:53.9%
- 債券投資:3.4%
- 投資信託:2.4%
- 株式投資:8.6%
- 保険・年金:26.7%
- その他:5.1%
このような構成になっています。
これは2001年に「貯蓄から投資へ」のスローガンが出る打ち出される以前の話になりますので、将来的に投資への比率を高めようという目論見があったはずです。
次に、2016年時点における個人金融資産の総額1,752兆円でした。資産の総額は、増えているのがお分かりいただるのですが、問題はその構成比率です。
- 現金預金:52.3%
- 債券投資:1.5%
- 投資信託:5.0%
- 株式投資:8.6%
- 保険・年金:29.8%
- その他:2.9%
という結果です。構成についてはほとんど変化がありません。貯金の割合が1.6ポイント減少しましたが、投資への割合は15.1%で、2000年と比較して0.7ポイント増えただけです。
これは、全体的な意識の変化は全くなく、スローガンは浸透していなかったと言えます。
さらに3年後2019年の個人金融資産の総額と内訳を確認しましょう。
- 現金預金:55.3%
- 債券投資:1.3%
- 投資信託:3.9%
- 株式投資:10.0%
- 保険・年金:28.6%
- その他:3.0%
貯金の割合が2016年対比で3.0ポイント増加、投資への割合は15.2%で、2016年対比で0.1ポイント増えました。
あれから、20年近くが経過しました。実際に、私たち一人ひとりの意識はどう変化したのでしょうか。
個人のお金に対するマインドは、”悪い意味で”手堅くなり、貯蓄による現状維持を意識するような結果になってしまっています。
この20年は、諸外国と比較して賃金や物価にも大きな改善は見られませんでした。その差は大きく開いたり、途上国と言われた国々との差は縮まってきたのが現状です。
残念ながら、以前のように日本は裕福な国だとは言えなくなってきたのではないでしょうか?島口ということもあり閉鎖的なのも影響しているのかもしれませんが、心のどこかで、慢心し日本という国を過剰に評価している人が多く、どこか危機感が感じられないような気がしてなりません。。。
上の記事にも書かれていますが、日本人の金融資産の50%以上は現金・預金で構成されています。諸外国と比べてどうなのか?その成長度合いについて詳細に書かれていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
なぜ資産運用が必要なのか?
全く変っていない現実、日本人一人ひとりの意識と逆らうように、資産運用の重要性は説かれています。
どうして資産運用が必要なのでしょうか?
年金の受給開始年齢の遅れ、働き方改革と言ったことではなく、もっと本質的な部分に注目していきます。
自分が働くか他人が働くか?
本質的な部分はここに尽きると思います。
私たちの多くは、自分が働くことでその対価として給与を得ています。これを労働対価といいますが、本質的にお金のために働いているのです。
“お金のため"というと脊髄反射を起こし反論する人が多くいますが、これは紛れもない事実です。実際にあなたが働いている会社が業績不振などにより、給料が期日通りに払われなかったら、辞めてしまいますよね?
労働者は投資家ではありません。
私が若い頃にバイトしていた会社にいた資産家の方のエピソードをお伝えしたいと思います。
当時、私は地元の仕出し弁当屋で配達のバイトをしていました。その会社は一昔前は、業績も良く多くの注文を受けていたようです。しかし、とある日、食中毒を起こしてしまい、営業停止、多くのお客様が離れていってしまったそうです。
私が入社したのは、食中毒を起こした後の話ですが、次第に給与や各種支払いは遅れ始めて、会社には強面のスーツを着た若い"お兄さん"が出入りするようになりました。
私自身のバイト代も半月、1ヶ月、2ヶ月と少しずつ遅れ始めましたが、色々と居心地が良く、しばらくは続けていました。
居心地が良かったという理由の一つに、この投資家の存在があります。
この投資家(仮称Mさん)は、バイト先に勤めていた社員でしたが、少し訳ありの方で第一線からは退き、ご自身で様々な投資をしていたようです。
私の知る限りですが、通信系の会社、飲食店、株式投資、不動産投資など様々なところに出資をしていました。
恐らく、Mさんにとっては仕出し弁当屋での給料などは、さほど大きな問題ではなかったのです。当時60歳過ぎでしたので、健康のために身体を動かすような感覚だったのかもしれませんね。
弁当屋の仕事で、身体を動かしながら健康的に暮らし、資産運用から得る収入で悠々自適に暮らしていたのを覚えています。
私自身も当時、息子や孫に近い年齢ということもあり、食事に連れていってもらったり、お酒を飲ませてくれたりしながら、色々な事を教えていただきました。
その方にとっては、そこで働く義理みたいなものもあったのかもしれません。その点に関しては私も知りません。
投資家Mさんの話について
ここで言いたいのは、「会社に奉仕をしなさい」という次元の話ではありません。
自由な時間を生み出すことで得られる効果は計り知れない
上手に投資をして資産を運用することで、私たちはなにかに拘束されない自由を手にすることができるのです。会社員として働くにしても、”心に余裕”ができ、あなたの本業にもい影響が生まれるでしょう。
自由な時間を手にすることができれば、あなたの本業への自己投資だって積極的に行なうことができます。自己投資を継続すれば、会社員としてのあなたの収入も自ずと上がるでしょう。
まさに、”お金がお金を生む”典型的なパターンなのです。
投資家はお金のために働かない
私たちは結局のところ、お金のために働いています。
日本では、親の教育や学校の教育において”お金は汚いもの”という考え方が前提にあり、投資や資産運用に関する教育はほとんどされません。
皮肉っぽい言い方ですが、お金は汚いものとして教えられて育った結果、お金のために働くような人が増えてしまっているのですね。
「投資家」は決してそんなことはありません。
資産運用によって自由な時間を生み出し、心に余裕を生み、自分自身の仕事にもいい影響を与えるような相乗効果があります。
自分の時間を創出して心豊かな人生を送るためにも、資産運用は必要なのです。
お金持ち”だった”資産家はいないという事実
最後に、『資産家とお金持ちは似て非なるものである』ということをお伝えしておきましょう。
資産家(投資家)とお金持ちは、性質的に全く異なります。
- 資産家:お金を働かせてお金を得るタイプ
- お金持ち:労働によってお金を得るタイプ
この2つは決定的に性質が異なるのです。
資産家というのは、投資や資産運用を続けている限り、資産家でありお金を生み出し続けます。一方で、お金持ちとは労働を辞めた時点で収入がなくなってしまいます。
「俺は昔は金持ちだったんだけどな~」と居酒屋でボヤいている人はよくいますが、「俺は昔は資産家だったんだけどな~」とボヤく人はほとんどいません。
老後2,000万円問題の自助努力も本質的には”この部分”を突いています。
なぜなら、お金がお金を生み出し続けている限り、あなたがお金に依存することはなく、投資による資産運用を続けている限り、今も昔も、資産家は資産家であり続けるからです。
これが資産運用をあなたがするべき最大の理由なのかもしれませんね。
最初は誰もが少額からのスタートで大きな効果は期待できないかもしれません。ですが、最初の一歩を踏み出さないことには何も始まりません。
どのタイミングで踏み出すかは、あなた自身が決めることなのです。